穴あきエフの初恋祭り



多和田さんの、色とりどりな七つの短編。
2018年に上梓された多和田葉子さんの短編集を読んだ。7篇の短編からなる。印象深かったものを幾つか紹…
本が好き! 1級
書評数:837 件
得票数:21429 票
1957年、仙台に生まれ、結婚後10年間世田谷に住み、その後20余年横浜に住み、現在は仙台在住。本を読んで、思ったことあれこれを書いていきます。
長年、化学メーカーの研究者でした。2019年から滋賀県で大学の教員になりましたが、2023年3月に退職し、10月からは故郷の仙台に戻りました。プロフィールの写真は還暦前に米国ピッツバーグの岡の上で撮ったものです。



多和田さんの、色とりどりな七つの短編。
2018年に上梓された多和田葉子さんの短編集を読んだ。7篇の短編からなる。印象深かったものを幾つか紹…



山登りを題材にした小説集。
南木佳士さんの「山行記」を先日読んだが、その中に短編小説「草すべり」が出来た経緯が書かれていた。本書…



派遣社員の時雨は中学の同級生だった杜子春に街で偶然であう。二人は恋人同士になるが、彼は実は異世界からの転生者だった。
島田雅彦が2024年に出したばかりのSFっぽい長編小説。我々の世界の裏には並行宇宙が無数にあって、そ…



芥川賞受賞作家が50代になってから登山を始めた話。
著者の南木佳士さんは1951年というから戦後まもなくの生まれで僕より6歳年上。群馬県の浅間山の麓の嬬…



多和田さんの最新?の小説を読んだ。ロシアの侵略戦争の影響で結末が書かれないまま小説は終わってしまったらしい。
多和田葉子さんが2022年に上梓した「太陽諸島」を読んだ。 実は読み始めるまで気が付かなかった…



ミミズ(雨虫)から始まって渡りをするサシバの話で終わる六つの小編集。
呉明益さんは1971年生まれの台湾の作家で、僕はこれまでに「複眼人」と「自転車泥棒」の二編の長編小説…




東日本と西日本では、今でも言葉のイントネーションや食文化の違いがあるのはよく知られているが、中世にはすでに東西の違いが生まれていたらしい。
日本の中世史の研究家である網野善彦さんが1982年に上梓した本の文庫版を読んだ。旧石器時代から江戸時…



物の怪が住み着いているような古家に訳アリの店子が引っ越してくる。
著者の彩瀬まるさんは1986年生まれだからまだ30代の作家さん。本書は2020年に上梓されたもの。 …



ツキノワグマのエキスパートが語る、上手なクマの襲われ方。
著者の米田さんは1948年生まれで秋田県庁の自然保護課に勤務した後フリーのクマ研究家となった方。この…



アフリカ沖に浮かぶカナリア諸島での翻訳家の生活。
多和田葉子の作品をもう少し読もうと思い、1993年に上梓された本書を手に取りました。120ページほど…



著者の室井さんは1955年生まれで、これらの短編は1991年から1996年に書かれている。元は二つの短編集を一冊にまとめたもの。故郷の会津地方の習俗と著者の個人史が盛られた文学的な実験の作品群。
著者の故郷である福島県の猫又を舞台とした短編集らしい。猫又は実在の地名ではなさそうだが、語感からいう…



小津安二郎の映画とは何が特別だったのか。交わらない視線の謎について考えるのも面白いかも。
1983年に上梓され1992年に文庫化された蓮實重彦の小津映画に関する評論を再読してみました。 …



日常で何の疑問もなく行っている食習慣が他の地方の人間には驚き、というか「信じられない!」ということも多いようですよ。
著者は日経新聞の記者で、2002年から日経電子版の前身のニッケイ・ネットで読者と双方向での食べ物の記…




生物の進化は再現性があるのか。それは人類の出現が必然なのかどうかという問いかけでもあります。
著者の千葉さんは生物の進化の研究者で以前に 進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語 を読んでレビ…



多和田葉子さんのシュールでナンセンスな短編集を読んだ。
多和田葉子さんの小説は一度挫折したことがある。前衛的、とでもいうのか、読み難くて途中で本を閉じた。今…



2016年、トランプ大統領が誕生した年に、柴崎さんはアイオワ大学に招待されて10週間アメリカに滞在していた。その時の記録である。
作家の柴崎友香さんは2016年のアメリカ大統領選挙の年の夏の終わりから秋までの三か月、アイオワ大学で…



金井美恵子による、様々な名作の翻案からなる16篇の掌編集。
1947年生まれの金井美恵子が1976年に上梓した掌編集「アカシア騎士団」を読んだ。まだ作者が二十代…



関西のある町のふしぎな神様と冬至の火祭りのお話。
著者の津村さんは2012年の「ウエストウィング」では小学生の男子を、2013年の「エヴリシング・フロ…



カラス自身の声を使って、カラスをだますという話。
1979年生まれの塚原さんはカラスの鳴き声の研究で博士論文を書いたが、現在はアカデミズムの世界から実…



インド洋上に浮かぶ孤島にかつて存在し既に絶滅した飛べない鳥「ドードー」を復活させる旅。
川端さんは1964年生まれのフリーのサイエンスライターです。本書は2023年に上梓されました。 …