ポリティコン 下



…いくつかの事件や、混乱が起こるのだが、その原因背景がうまく描けていない。騒々しいだけで、もやもや感だけが残る
上巻の穏やかな物語から一転、後半は策謀や事件が多発、波乱万丈の物語になっている。 しかし、肝心の…

本が好き! 1級
書評数:6250 件
得票数:92116 票
昔から活字中毒症。字さえあれば辞書でも見飽きないです。
年金暮らしになりましたので、毎日読書三昧です。一日2冊までを限度に読んでいます。
お金がないので、文庫、それも中古と情けない状態ですが、書評を掲載させて頂きます。よろしくお願いします。



…いくつかの事件や、混乱が起こるのだが、その原因背景がうまく描けていない。騒々しいだけで、もやもや感だけが残る
上巻の穏やかな物語から一転、後半は策謀や事件が多発、波乱万丈の物語になっている。 しかし、肝心の…



大正時代、理想郷を作る運動が盛んになり、幾つかの共同体ができた。今でも細々続いてる共同体もわずかにあるが、殆どはなくなった。
大正時代に国家のなかに、理想の国家、共同体を作ろうというブームがあった。戦争になり立ち行かなくなっ…



日本人の多くは収入に合わせた生活をしようとする。韓国の人は収入に関係なく借金をして贅沢な生活をしたがるようだ
これはビリョンとカナそれぞれの女性と主人公の悲恋が骨格をなす物語である。ところが、主人公の別の過去…



ベトナム戦争たけなわのころ、日本の学生は、アメリカ帝国主義反対、悪の根源はアメリカと叫び多くのデモをした。アメリカがベトナムに戦争で負けた。更にデモは盛り上がるかと思ったらその瞬間にデモは 消滅した
サッカーはフットボールになった。野球はベースボールにはならなかったが、それでもSBOがBSOになっ…



愛している女子高生を、父親が毎晩抱いている。それが強烈な嫉妬となり、その反動で男は一層女子高生を深く愛する。その強烈な嫉妬が男のロリコン溺愛につながる
男は不良だったのかもしれない。高校には殆ど登校しないで、毎日街をぶらぶらしている。 時に年上の女…


今起こっていること、生きている世界からみるのと、亡くなった世界からみるのとでは、全く違ってみえる
30年前にバスの事故があり、乗っていた小学生6人が亡くなった。 その小学生たちが、慎一とアキラの…



主人公はロマンス小説の翻訳家。恋人との軋轢が原因で、翻訳すべき小説とは全く異なった小説を翻訳小説として書いてしまう。
この小説を読んで、てっきり三浦さんは、ハーレクイン小説作家か昔でいうとコバルト小説作家経験あると思…



人間は憎しみ、嫌いだけでは殺人の規模は小さい。ここに、思想や宗教がかぶさってくると、大量殺人が起きる
桐野と私は同い年である。だから、同じ空気を背負って生きてきた。このエッセイのなかで まさにその通…



人は生きるために、生きる。出会えるかもしれない、出会えないかもしれない、明日はわからない、だから生きたいのだ。
人は生きるために、生きる。 東京のあちこちにある七福神をまわる。祭ってあるご神体が必ず見ら…





まるで桐野が林扶美子にのりうつっている。林扶美子が描いた小説と言ってもだれもがうなずく。
これは本当にたまげた。作者、桐野が見事に消失することに成功している。読んでいると林扶美子が作り上げ…



強い小説だ。読者に向ってこれがわかるかと強烈に迫ってくる。私にはどうにも息苦しい。
こういう小説は私にとってはいやな小説だ。読者をどことなく馬鹿にしている。 何でこうなるの、…



中村さんは、熱狂的な読者をたくさん持っているので、感想を書くのが少々怖い。この小説、純文学どまんなかの作品だろうが、私はこの作品で、自分の馬鹿な青春時代を思い出した。ごめんなさい、中村さん。
この作品はどこか青臭く、懐かしさを感じた。 世界文学や純文学に凝ると、どうしても一回は作品…



…読書が好きな人は、きっと、幼いころ母の騙る物語を「それで」「それで」と先を急がせ、母のお話が終わっても、勝手に続きを作った人だろう。
読書が好きな人が今は本当に少なくなった。どんな人が今本が好きな人なのだろう。 幼いころ、お父さん…



すべてに優先して、まずは世間体を優先する人がいる。内実はどんなに壊れ崩れていても、どう世間がみてくれるかで生き方を決める
絹子は、学校の成績は良かったが、事情があり大学まで進めなかった。就職先で大失恋をした直後に見合いの…



学生や会社時代の自分の頑張り、栄光を自慢したがる人がいる。それを妻に話したら、じゃあ今から確かめに行きましょうと。それからが大変。
会社でも学生でも、殆どの人は、自分が輝いていた時を持っている。「あれを俺はやった。あんなことまでで…


でだしの凄さに度胆をぬかれた。その凄さがでだしだけで、後はいたって平凡な内容になってしまった。
最初のところで度胆をぬかれた。上司との不倫に決別させられた主人公の梨央が、居酒屋で酒を飲み、飲み足…



最近は会社、経営者はやたらとコンサルタントによりかかる。でもたいていのコンサルタントは弁はたつが中味はからっぽ。
平さんは私より2歳年下。文壇デビューは本当に遅い46歳。しかも最終学歴は高卒。苦労もされただろう。…




これは凄い小説だ。ある刑事が殺人犯をでっちあげる。そのでっちあげられた男が12年後に出所。弁護士を立て再審請求を申し立てる。窮地に陥った刑事のとった行動がとんでもない。
脇坂なる刑事。20年前に起きた少女暴行殺害事件でいちはやく容疑者を割出し逮捕。住民の不安を早々の犯…



詐欺にであうのは、表面にでてくるのは年のいった女性が多い。しかし、実際は圧倒的に被害者は男性である。男は単細胞だから、被害にあったという自覚を持てない人が多い
「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」。だいたい騙されるのはそこそこに年齢がいったか、本物の御婆さんなど…



静岡で袴田事件というのがある。警察というのは、証拠がなければ、証拠をつくることをする。袴田事件ではそれをした。
神田で、強盗殺人放火事件が発生。犯人としてスポーツ店の社長の渋谷が浮かぶ。 渋谷は厳しい取り調べ…