金三角



傷痍軍人パトリスはあるきっかけで、病院で世話になった看護師コラリーの夫が殺された事件の捜査に携わった。事件を調べていくと赤の他人の筈のふたりに知られざる縁があることがわかった。
アルセーヌ・リュパンものの長編第七作目。 今回のリュパンの登場は後半からで、本書の実質的主人公…

本が好き! 1級
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神奈川県に住むサラリーマン(技術者)でしたが24年2月に会社を退職して今は無職です。
読書歴は大学の頃に遡ります。粗筋や感想をメモするようになりましたのはここ10年程ですので、若い頃に読んだ作品を再読した投稿が多いです。元々海外純文学と推理小説、そして海外の歴史小説が自分の好きな分野でした。しかし、最近は、文明論、科学ノンフィクション、音楽などにも興味が広がってきました。投稿するからには評価出来ない作品もきっちりと読もうと心掛けています。どうかよろしくお願い致します。



傷痍軍人パトリスはあるきっかけで、病院で世話になった看護師コラリーの夫が殺された事件の捜査に携わった。事件を調べていくと赤の他人の筈のふたりに知られざる縁があることがわかった。
アルセーヌ・リュパンものの長編第七作目。 今回のリュパンの登場は後半からで、本書の実質的主人公…




主人公ポールは、旅先で知り合った女性と結婚するが、彼女は父の仇の娘だと知った。第一次世界大戦前夜、彼は新妻を捨てて応召する。リュパンはチョイ役で登場する。
アルセーヌ・リュパンものの長篇第六作目。原題は「砲弾の破片」である。ただリュパン・シリーズと言っても…




リュパンもの二つ目の短編集。怪盗ぶりを発揮するよりは、名探偵顔負けの推理力を示し、事件を解決する内容の方が多い。推理小説としてもトリックの優れた作品群である。
「怪盗紳士リュパン」 に続くアルセーヌ・リュパン・シリーズの第二短編集。八つの短編が収められている…





今回は、リュパンの何時もの盗みに端を発し、政界に絡む陰謀を解決する異色の冒険。ドーブレック代議士は、いかにも悪徳政治家じみているが、リュパン・シリーズ中、最も「有能」な好敵手ぶりを発揮する。
リュパン・シリーズの長篇五作目( 「813」 と 「続813」 を合わせてひとつの長篇と考えた場合)…




ケッセルバックと言う大金持ちがある秘密を抱えたまま殺された。ルパンは、その秘密に迫ろうとするが、それはドイツ・フランスと言う二大国の国家関係に関する大がかりなものだったことが明らかになる。
「813」 の続編。 ケッセルバックという大金持ちがパリのホテルで殺された。彼はある重大な秘密の…



金持ちのケッセルバックが遺した物品に813の暗号があった。これが何を意味するのか?悪人とリュパンが死闘を繰り広げるが、かなり複雑な筋書きである。
アルセーヌ・ルパン、長篇4作目。本書は新潮文庫の一冊でこちらはルパンと訳しているので、そのように呼ぶ…



前半はルルーの名作「黄色い部屋の謎」に対抗する密室ミステリ。しかし、これがすぐに少年探偵イジドールとリュパンの対決、果ては王家に絡む宝の謎と、目まぐるしく主題が変わってゆく。
リュパンものの長編・第三作目。 深夜のジェーヴル伯の屋敷で物音に目覚めた伯の姪レーモンド・ド・…


金持ちで骨董品収集家のマルタンの田舎の別荘にリュパンの予告状が舞い込む。マルタンは娘の婚約者シャルムラース公爵とリュパンに挑戦をするが、・・・。
リュパンシリーズの3冊目。長篇では2冊目となる。 本書は戯曲を小説化したもので、場面は大きく三…





奇抜な書き出しの短編集の後に続く長編は、言わずと知れたイギリスの名探偵との対決である。ルブランは、優れたホームズもののパスティーシュを書いている。
アルセーヌ・リュパン・シリーズの長編第一作は、名探偵シャーロック・ホームズとの対決である。自分はこの…




ルパンものの第一短編集は、新潮社版と創元社版があり、掲載作に若干の異同がある。特に創元社版に漏れた「アンペール夫人の金庫」事件は、アルセーヌ・ルパンの名の由来が語られていてファンは見逃せない作品である
こちらは創元社の 「怪盗紳士リュパン」 と同じくルパン物の第一短編集であるが、Wikiによれば、この…




リュパン登場の記念すべき第一作。彼のデビューは彼の逮捕という奇抜さ。その他、少年の頃のリュパン最初の事件、伝記作者「私」と知り合った経緯を示す事件など、最初の短編集に相応しい内容。
日本では一般的にはルパンで通っているが、創元社のこのシリーズではLupinに対する原語の発音を重視し…





本書は短編集の形式。ラインハルトとヤンの時代から遥か150年昔に遡る「タゴン星域会戦記」やミステリ仕立の「朝の夢、夜の歌」、「汚名」など著者の遊び心満載。
銀河英雄伝説の外伝の第五巻。巻末に著者・田中芳樹への50頁ほどのインタビューも載っている。 銀河に…




エル・ファシルの英雄と称えられた若きヤン・ウェンリーは、その功績のご褒美休暇で、43年前の第二次ティアマト会戦の英雄アシュビーの死が戦死なのか謀殺なのか、私的調査を頼まれた。
銀河英雄伝説の外伝の第四巻。今回は自由惑星同盟の未来の英雄ヤン・ウェンリーが主人公。自由惑星同盟は、…



主人公ラインハルトの若い時代。彼は、リューネブルクと言う自由惑星同盟にいったんは亡命し、更に銀河帝国側に再亡命した人物と知り合う。彼は節操もなく嫌味だが軍事的には有能な男だった。
銀河英雄伝説の外伝の第三巻。今から2千年近い未来、宇宙に進出した人類は専制の銀河帝国と民主共和政の自…


政治的に対立する銀河帝国と自由惑星同盟の最前線、イゼルローン要塞に滞在するユリアンと言う兵卒の日記。彼は自分が仕える若き提督ヤンに心酔している。
銀河英雄伝説の外伝の第二巻。著者は外伝では自由に遊んでいるようで、「ユリアンのイゼルローン日記」の名…



銀雄伝の外伝の第一巻。正伝の前日譚、主人公ラインハルトと、その両腕と言ってよい幕僚ミッタマイヤーとロイエンタールとの邂逅を描く。
SFのジャンルのひとつに、未来の架空の歴史を叙述する「未来史」と言うものがある。アシモフの銀河帝国シ…




2000年頃に書かれた、失われた三十年、を予想した小説。この本の執筆当時は失われたのはたった十年だったはずだ。日本の閉塞感をよく表した小説である。
パキスタン北部でパシュトゥーン族と暮らす中学生がいる、という報道をきっかけに日本の中学生たちが、今の…



ひとにぎりの未来と言いながらも、未来を描いた作品は少なめ(だから「ひとにぎり」なのか?)。むしろ星新一の代表的キャラクターのエヌ氏が活躍する作品が多い。
40編のショート・ショートを載せた作品集。1969年初出なので、中期の作品集と言った感じ。 本書で…





パステルナークが執筆した「ドクトル・ジバゴ」は不当にも反体制小説とされた。それをソ連国内に流布させようとCIAは作戦計画をたてた。
邦題の「あの本は読まれているか」の「あの本」とはパステルナークの 「ドクトル・ジバゴ」 である。日本…



メーキャップ師アルカージイと女優リュボーフィの悲恋。身分制の厳しい社会で生きる若者たちの苦難を描いている。
副題は「墓のうえの物語」である。語り手が少年時代に乳母リュボーフィ・オニーシモヴナから聞いた話を書き…