読書ガイド「本が好き!」が運営するニュースサイト

あなたの恋愛観を揺るがす『来世であいましょう』‐女装男子の恋

「非モテの極みのような少年の前に、美少女が現れて、あろうことが熱烈に求愛してくる!」この筋書きだけを読むと、恋愛モノの王道です。しかしその少年は猜疑心の塊で、「こんな美少女が僕を好きになるはずがない!」と逃げ回ります
美少女が恋をしたのは、実はその少年自身ではなくて、その少年が死んだあとに転生してくる「来世」の姿。
 
……って、どんだけ「恋愛モノの王道」を疑っているんだこの作者は。
人間の理想や夢想を、ここまで疑ってかかる作者といえば、そう、小路啓之です。今回は『ごっこに続いて最終巻が刊行された来世であいましょうを、フリーライターのたまごまごさんに紹介してもらいます。
 
(続きを読む…)

とれたて!近刊情報(12月10日) 『和算に恋した少女』ほか

本日とれたての近刊情報から、ナガタが気になったタイトルをピックアップしてお届けします。
 

梅原猛、観世清和『能を読む1 翁と観阿弥~能の誕生

久世光彦 『一九三四年冬─乱歩

和算に恋した少女 1

風雅と官能の室町歌謡~五感で読む閑吟集

こんなにちがう中国各省気質』目次あり

[証言録]海軍反省会 4

カルチェ・ラタンの食鬼たち』表紙あり

(続きを読む…)

そうさ、YOUたちSuper Boy!ジャニーズを徹底的に読み解く一冊

テレビやラジオはもちろん、デパートなどのBGMでも頻繁に耳にする歌声。いわゆる「ジャニーズ系」が音楽界を席巻している状況を否定できる人はいないだろう。男性アイドル全体に占めるジャニーズ系の割合を考えれば、あるいは「イケメン」といえばまずジャニーズ系のアイドルが思い浮かべられることを考えてみれば、ジャニーズ系のインパクトや重要性を「音楽」だけに限って考えることも正しくない。広くエンターテイメント産業全体において、ジャニーズ系がこの半世紀に果たしてきた役割は非常に大きい。
 
今回紹介する、大谷能生・速水健朗・矢野利裕ジャニ研! ジャニーズ文化論は、そのジャニーズ系についての考察本である。ジャズ・ミュージシャンであり音楽評論家でもある大谷、ケータイ小説から都市論まで幅広く論じる評論家の速水、そして1980年代生まれのDJの矢野という異色の3人組による座談会形式の本書。執拗な情報収集能力と広く深い教養に基づきつつも、あくまでライトに、本人たちが楽しんでいるのがよくわかる。いわゆる自称「音楽好き」が軽蔑するJ-POPだが、そのなかでの最大派閥のひとつであるジャニーズについて、ガチで論じるとどうなるのか。ちゃんと考察してみたら非常に面白かった、というのが本書のとりあえずの結論である。ジャニーズをより楽しむために、ぜひ手にとって欲しい。
 
(続きを読む…)

2012冬・本が好き!レビュアーが選ぶ100冊。何冊読んだ?

「本が好き!」レビュアーのかもめ通信さんが呼び掛け人となって2012冬・本が好き!レビュアーが選ぶ100冊という企画が開催されました。
 
かもめ通信さんの企画は、ランキングではなく、100点を選ぶというもの。
会員であれば誰でも投票できるという気楽さはあるものの、「ご自身が本が好き!に書評を登録しているものに限ります」という厳格なルールがあるのがポイント。(もうひとつ、文庫本に限るというルールもありましたが)書評を書けるほど愛される本ばかりが選ばれています。かもめ通信さんが作った、100選を集めた棚は、ただ眺めるだけでも楽しめます。
選ばれているのは、古典文学から歴史書、社会問題を扱ったものからSFやミステリまで、かなり多彩です。さあ、あなたはこのうち何冊読みましたか?
 
ちなみに、記念すべき100冊目は性家族の誕生 セクシュアリティの近代
 
(続きを読む…)

とれたて!近刊情報(12月7日) 『日本人と地獄』ほか

本日とれたての近刊情報から、ナガタが気になったタイトルをピックアップしてお届けします。
 

萌音楽のススメ☆

かつくら vol.5 2013冬

加納久宜集』表紙・目次あり

吉田神道の四百年 神と葵の近世史

武士の誕生』目次あり

日本人と地獄

ユダヤ教の誕生――「一神教」成立の謎

(続きを読む…)

現代日本における売春の実体。データに基づき赤裸々に紐解く良書。

今日紹介する本は彼女たちの売春(ワリキリ)。現代日本では違法とされている売春行為であるが、様々な理由で、敢えてそれを選択し続けている女性達がいる。本書は、100人もの「ワリキリ(売春)女性」に対する取材が明らかにする、赤裸々な現実を綴った1冊だ。
 
この本、よく出来た小説のような文体で極めて読みやすく、ひとりひとりの取材対象の人生の重さが効果的に切り取られていて非常に読み応えがある。端的に言って素晴らしい良書であり、多くの人にオススメしたい。しかし、この本をどのように紹介したらいいのか、正直なところ悩ましいのだ。
 
(続きを読む…)

マンガ好き必見!業界人が集うマンガ研究会に持ち寄られた逸品たち

昨日は、某出版社の編集の人と、某WEBメディアの編集の人と、月例で開催している「コンテンツ業界マンガ研究会(略して「マンガ部」)」に出席してきました。
 
「マンガ部」は、最近注目のマンガ・人に薦めたいマンガを持ち寄るという内容の会なので、「最近おもしろいマンガに出会ってない」「もっと面白いマンガを読みたい」という人には、ラインナップを紹介するだけでも参考になるかも知れません。
というわけで、さっそくどんな本が集まったのかを紹介していきましょう。
 


(続きを読む…)

あなたはなぜモテないか?ずばり、それはあなたがキモチワルイから

今回紹介するすべてはモテるためであるは、1998年に刊行された同名の書籍に、國分功一郎との対談を加えて文庫化したもの。(正確には、1998年に刊行された同名の書籍が、『モテるための哲学』に名を変えて文庫化されたものに、大幅な加筆修正と第五章「モテてみた後で考えたこと」を加えて再度文庫化したのが本書。)
本書に解説を寄せている上野千鶴子は、自著男おひとりさま道で取りあげるなど、本書を高く評価している。
 
この本の著者の名は二村ヒトシ。『接吻・痴女・ふたなり・密室 南波杏』などの作品で知られるAV監督である。「あなたはなぜモテないか?ずばり、それはあなたがキモチワルイから」という衝撃的な書き出しで始まるこの本は、「キモチワルイ」をテーマに、タイトルにある「モテ」というよりもむしろ「人生をどう良くするか」という哲学的な問題に取り組もうとする。
 
(続きを読む…)

東浩紀が語るソルジェニーツィンにおける言論弾圧とのゲリラ戦

昨夜は、映画『ソルジェニーツィンとの対話』の上映会に行ってきました。映画の監督は、ソ連時代に作品を上映禁止とされた経験を持つアレクサンドル・ソクーロフ。ソクーロフにインタビューを受けるのは、収容所群島イワン・デニソーヴィチの一日などで知られ、1970年代にノーベル文学賞を受賞した文学者ソルジェニーツィン。
 
映画は、ソルジェニーツィンの晩年、ソ連崩壊から10年も経っていない、1998年に制作されたもの。今回の上映会には、特別トークとして、批評家・小説家の東浩紀氏と、ロシア文学研究者の上田洋子氏の対談も行われました。
 

  

(続きを読む…)