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メキシコで大人気!怖くてかわいい?『骸骨の聖母サンタ・ムエルテ』

骸骨の聖母サンタ・ムエルテ:現代メキシコのスピリチュアル・アートが出版された。
 
本書は、サンタ・ムエルテ、つまり「死の聖母」と呼ばれる信仰現象と、彼らが奉じる「聖母像」をラテン・アメリカの美術史に詳しい著者がまとめたもの。かつては犯罪者のカルトとされたサンタ・ムエルテ信仰だが、現在は信者数300万人とも言われているという。
 
骸骨の聖母サンタ・ムエルテ:現代メキシコのスピリチュアル・アート

 
「治安悪化や貧困拡大で、死がより身近に」なったことで信者が急増していると言われるサンタ・ムエルテ。「善悪を問わず、あらゆる欲望を成就してくれる」といわれるこの信仰は、スペインに征服される前からの土着信仰と、征服後のカトリックの聖母信仰が融合して生まれたもの。
 
メキシコには、カトリックを信じるスペイン人たち、スペイン人が労働力としてアフリカ大陸から奴隷として連れ去ってきた人々、そして征服前から住んでいる人々たちの文化が互いに摩擦を内包しながら融合した特殊な文化がある。
その特殊な文化は、単に融合しただけではなく、現代に至るまでの様々な政治的・経済的・社会的な要素の影響を受け、外部から見ると奇想天外としか思えないような「進化」を遂げている。
本書で紹介されるサンタ・ムエルテも同様だ。
「政府の麻薬撲滅作戦により、官憲に追われた麻薬組織が全国に分散したことでカルトが拡大した、という分析も可能」と語られるように、その背後は非常に複雑だ。たとえば「これから銀行強盗をしますが、お守りください」というようなお祈りにもご利益があるというこのサンタ・ムエルテ。真面目な日本人にはとても理解できないものかも知れないが、しかしその佇まいの美しさは簡単には否定できない。
本書は、美術史研究にも業績のある筆者が、宗教美術として歴史の浅いこの「死の聖母」像を対象に、どのような社会活動のなかから、どのような図像が考案され定型化していくのかを追うもの。「着せ替え人形」や「ゴス・ファッション」とも通底する要素がある(た、たしかに)というその姿をじっくりと眺めてみたい。
 
目次
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第一章…サンタ・ムエルテのルーツと現在
第二章…サンタ・ムエルテの図像学
第三章…素材に見る「自然の4つの基本要素」
第四章…祭壇の構成
第五章…儀式と祈祷の文言
終章……生と死のコンタクト・ゾーン
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【関連ページ】

サンタムエルテ教会?グアダルーペ寺院!!!|メキシコ雑貨 nifunifa BLOG

メキシコ雑貨を扱うお店のブログ。
メキシコに買い付けにいったときの記事でしょうか。
紫の衣装で着飾ったサンタ・ムエルテが美しい。
 

特集:麻薬聖人 メキシコの心の闇 2010年5月号 ナショナルジオグラフィック NATIONAL GEOGRAPHIC.JP

ナショナルジオグラフィック誌の記事。
サンタ・ムエルテは「死と隣り合わせの日常を象徴」とのこと。
 

現代メキシコにアステカの死の神が復活― 「サンタ・ムエルテ」信仰 現在位置を確認します。/ウェブリブログ

サンタ・ムエルテをアステカの死神(図像あり)と比較して考察したブログ記事。
 

メキシコの死の聖人「サンタ・ムエルテ」

美しいサンタ・ムエルテの写真があります。
 

サンタ・ムエルテ信仰 – barbaraunfufu

メキシコ・シティの某地区でのサンタ・ムエルテ信仰について触れられたブログ記事。
「サンタ・ムエルテは多くの奇跡を起こしてくれた。何をしてくれたかは言わないけどね。」
 

死の聖人

読売新聞でサンタ・ムエルテの記事が載っていたとのこと。
さすが新聞。写真がかっこいいです。
 

サンタムエルテ – 北九州市八幡西区/その他レストラン:マピオン電話帳

レストラン。行ってみたいです。
 
 
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当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々。現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
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