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ビジネススーツは本当に軍服だった?『図説 軍服の歴史5000年』

ビジネスマンにとってのスーツは戦闘服です。ライバル企業とシノギを削るための軍服だ、とも言えるでしょう。ちなみにスーツのジャケットの襟の部分、これは実は本物の軍服の立襟を折り返したものが元になっているという説があるそうです。
 
【図説】軍服の歴史5000年は、5000年という実に壮大なスケールで軍服の歴史を追います。250ページ以上にわたって、約200点にのぼる精密な考証イラストを挙げながら、現代人の装いの起源にさまざまな時代・さまざまな地域の軍服の影響を見出していく過程は実に興味深いもの。
 

 
5000年というと気の遠くなるようなスケールだと思われるのですが、実は調べてみるとけっこう5000年というスパンで書かれた本が刊行されています。たとえばチーズの歴史 5000年の味わい豊かな物語、あるいは塩の文明誌―人と環境をめぐる5000年、そして宇宙観5000年史: 人類は宇宙をどうみてきたかなど。
 
本書の面白さは、目次を見てもらうとわかりやすいかも知れません。個人的には「パンツ丸出し」でも平気?で笑いました。あの名言パンツじゃないから恥ずかしくないもんを意識したのでしょうか。
 
そういえば、以前の記事(中2病大事典)で触れた、「テロリストの分布図」柄のパーカーを着ていた友人に先日また会いました。今度の彼はそのパーカーに加えて、顔がほとんど見えなくなるくらい隠れてしまう巨大なネック・ウォーマーと、派手なズボンを着用。
ネック・ウォーマーは、おそらく「抱枕」というけっこうディープなオタクグッズを使ったもの。ズボンは、訊いてみたところ、16人分のアニメキャラの顔が大きくプリントされた布を継ぎ接ぎした「痛ズボン」というものだそうです。あれも戦闘服といえば戦闘服ですね…。かっこよかったです。
 

 
目次
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推薦の辞 スタイル・クリエーションズ社社長 滝沢滋
はじめに クラシックとは「立派な海軍のオーナー」だった
 
一、ジャケットとズボン
 ローマ戦士と「蛮族」の衣装
 ヴァイキングの戦士と最初の「洋服」
 「パンツ丸出し」でも平気?
 「股隠し」と男性用スカートの登場
 布袋腹の奇妙な上着「ダブレット」
 ボロキレ・ファッションの傭兵たち、ついにスウェーデン軍で「軍服」が登場
 ペルシャ風衣装「スーツ」型軍服の誕生
 英国式スーツ誕生の瞬間
 オスマン・トルコの影響とポーランド有翼騎兵
 バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン~燕尾服とダブル服の登場
 オスカル様の肩章は「小さな肩」?
 袖口のボタンはナポレオンの考案?
 軍服のモール飾りはいつから―参謀懸章
 フン族のアッチラ大王の軍服? 軽騎兵の肋骨服
 勲章は実は教会から生まれた
 フリードリヒ大王の寒がりファッション
 英国のダンディーも愛したプロシャ・スタイル
 そして「背広」の誕生
 クリミア戦争と男たちの衣装
 男らしいズボンとは……
 海軍の制服導入とネルソン提督
 ネイビー・ブレザーと軍艦「ブレザー」
 ヴィクトリア朝の海軍士官
 
二、帽子、被り物、履き物それにネクタイ
 兜の飾りはどこでもハリボテ
 三角帽はとんがり帽子ではない
 二角帽はナポレオン専用ではない
 敬礼の作法は脱帽から
 さまざまな「トルコ風」の軍帽
 「お巡りさんの帽子」ドイツで登場
 王者たる者、赤い靴?
 靴に名を残した二人の将軍
 エリザベス女王の襟巻きからクラヴァットへ
 今のネクタイの原型は暴走族風? 
 レジメンタル・タイの意味合い
 
三、非西欧文明の軍装
 北米、インカ、アステカの戦士たち
 中国の甲冑とチンギス・ハンの軍隊
 日本の甲冑史と洋服
 日本人と洋服との出会いは「軍服」として
 
四、軍服の現代化と第一次世界大戦
 カーキ色の軍服の時代
 詰め襟軍服、背広型軍服
 第一次大戦が変えた市民の服装
 
五、第二次世界大戦から現代まで
 ナチス・ドイツ「制服の帝国」
 迷彩服とダンディズム―両極端のドイツ将校
 第二次大戦でのその他の国の軍服
 実用的なアメリカ軍の戦闘服
 カジュアルだから助かったS・マックイーン 
 現代の軍服と未来
 
軍服の歴史・関係年表
 
各国軍階級対照表
 
主要参考文献
 
著者あとがき
 
イラストレーターあとがき
 
感想と激励の辞 歴史復元画家 中西立太
 

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【関連書籍】

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【関連ページ】

『図説 軍服の歴史5000年』刊行前の心境・・・。
 : ロック詩人・辻元よしふみのブログ

著者ブログの1ページ。
「250頁ほどの本ですので、ページあたりの単価は10円。どうかご理解いただきたいところです。精いっぱい、版元さんと我々、著者で頑張った価格です」とのこと。
 
 
 
 
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【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々。現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
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