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アジアで悪魔合体を繰り返したかき氷の成れの果て『砂糖の通った道』

フィリピンで食べることができるスイーツ「ハロハロ」は、かき氷と練乳のうえに各種のトロピカルフルーツやドライフルーツ、甘く煮た何種類もの豆・芋・穀類、アイスクリーム、ゼリー、ナタデココ、タピオカ、ココナツ、プリンなど、人間が思いつく限りの甘い食べ物を乗せまくるエクストリームな食べ物。パフェがインフレを起こしたとでも形容すべき存在感に誰しも圧倒されるに違いない。
 
このハロハロ、ルーツに日本の「かき氷」があると言われている。明治期に日本人がフィリピンに持ち込んだ「かき氷」が、現地の甘味食材と度重なる悪魔合体を繰り返して今の姿になったというのだ。
 
ベトナムの「チェー」や、タイの「ルアムミット」など、東南アジアのスイーツで、あんみつやかき氷に似ている食べ物は結構見受けられる。
 
ここにアジアの文化交流を見て取り、歴史的な影響関係を紐解いたら面白いに違いないと思っていた僕に、最適な本が現れた。
 
砂糖の通った道 書影
 
その名も砂糖の通った道《菓子から見た社会史》
 
日本史研究のなかで江戸時代の日本が砂糖の貿易を通じて世界と繋がっていたことを知り「歴史における食の重要性」を追究してきた著者の、ひとつの成果が本書だ。
 
権力者の歴史ではなく、庶民がどのような生活を送ってきたのか。著者は庶民の食の歴史に着目し、長崎街道の菓子老舗を訪ね、ポルトガルのシントラやマデイラ島の菓子を食べ、出島オランダ商館の帳簿や国内史料の分析から、輸入砂糖の価格や数量を明らかにする。
上流階級の嗜好品だけではなく、肉体労働者にとっての効率的なエネルギー補給源としても重宝された砂糖や菓子類。その研究から見えてくる拡がりはまだまだ計り知れない。
※なお、本書でハロハロに触れているかどうかは未確認です。

 
【関連ページ】
フィリピンのスィーツ ハロハロ<Halo-halo>
ハロハロの写真が掲載されているページ。
僕の知っているハロハロはパフェのように円錐型の器に入っていました。
日本のあんみつよりもバリエーションがあるようです。
 
・本が好き! カステラ文化誌全書―East meets West
・本が好き! 飴と飴売りの文化史
・本が好き! お菓子の由来物語
・本が好き! お菓子の歴史
・本が好き! おいしいスイーツの事典―甘く、かわいいお菓子のストーリー
・本が好き! 世界の祝祭日とお菓子
 
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【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々。現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
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