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【新刊】『ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略』翔泳社

Google、Amazon、Apple、Facebook、Twitter……IT企業の巨人たちが群がる”ビッグデータ”という金脈の核心とは何か。
 
11月に発売された、本邦初のビッグデータビジネス関連本となるビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略翔泳社は、日本最大手シンクタンクである野村総研ICT・メディア産業コンサルティング部で主任コンサルタントをつとめる著者・鈴木良介氏による初単行本。
「ビッグデータ」を活用している企業やその活用を支援する事業者たちの最新動向を紹介し、その活用を支える、Hadoop、DWH、CEPなどの技術を解説、今後の課題や役割についても詳しく解説する1冊。
 
ビッグデータビジネスの時代 書影
 
ビッグデータビジネスとは、「大量のデータを収集・解析することにより、事業の付加価値をより高めるような営み」のこと。
IBM、Oracle、HP、EMCなどがこぞって「ビッグデータビジネス」に注力していくと発表したことでも知られています。
AmazonやGoogle、Facebookなどの今の時代を代表するネット企業でも実際にビッグデータを活用する方向に進んでおり、ビッグデータビジネスは産業界全般で進むクラウド利用と併せて、向こう10年の情報・通信分野における最も注力すべきテーマの1 つになる、と期待されているそうです。
 

主要目次
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・ビッグデータビジネスとは何か?
・ビッグデータビジネスの効用と活用事例
・主要陣営の戦略とビッグデータ活用を支える技術
・ビッグデータ活用に向けた3つの阻害要因
・ビッグデータビジネスの将来予測
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なお、目次を見た感じや表紙ではわからないのですが、女性用下着メーカーによる「おねだり機能」の成功、チェコにある驚異的なシステムの売春宿「ビッグ・シスター」の存在など、いわゆるビジネス書の範疇に収まらない例が本書には散見されます。こういったところが落語を愛する著者による本書のキモというか、クールなところだと思います(もちろん、主要なテーマであるビジネスとの向き合い方も正面からガッツリという感じで力を抜いているわけではありません)。
 
本書後半に収録されたコラム「ビッグデータで救え、3万人の命」では、1998年以降13年連続で自殺者が3万人を超えているという本国の状況を前に、ビッグデータを活用することを提案。
駅構内のLED照明や防犯カメラと連動した自殺防止監視通報システム、また医療機関の受信データ・薬剤の処方データ・位置データ・SNSへの書き込みデータ・小売店での購買データなどを、プライバシーに充分配慮したうえで活用し、複数の事業者間で共有し流通させることで社会的に大きな効用をもたらすことができる、と訴えます。
産官学が一体となって進めるに値する意義のある事業ではないか、という著者のスタンスが素晴らしい。
 
【関連リンク】
ビッグデータ社会の到来 – akihitok | ブクログのパブー
Polar Bear Blogの小林啓倫氏による37ページの明快な解説書(電子書籍)。
無料公開されたのでご紹介。
「ソーシャルメディア上には、今夜食べたラーメンの話など、一見すると無意味なデータが少なくない。しかし無数のデータを集め、その全体像を捉えることによって、まさしく「地球の鼓動」が見出されようとしているのである。これまでには取り扱うのが困難だった、非常に大容量のデータを分析し、その中に隠されている「情報」を見出す――それが「ビッグデータ(Big Data)」の発想である。本書ではビッグデータを扱うことで、どのような情報が手に入るようになり、そこからどのような行動が取れるようになるのか、またどのようなリスクが生まれ、私たちはどう対処して行くべきかについて書かれている。(収録文字数:約26,000字)」
 
「ビッグデータビジネスの時代」で語られなかったビッグデータの論点(技術系トレンド) – Future Insight
IT×漫談×ビッグデータの最先端「ビッグデータビジネスの時代」 – Future Insight
本書のレビューに全面的に参加した、スーパークリエータ(経済産業省所管の独立行政法人IPAの認定)gamella氏による技術面の補足と紹介。
 
ビッグデータビジネスの時代 – 翔泳社の本
版元の書籍紹介ページ。
まえがきと目次を読むことができます。
 
ビッグデータの活用が2010年代のイノベーションの起爆剤となる
―本邦初のビッグデータビジネスの解説書『ビッグデータビジネスの時代』が発売 (1/1):MarkeZine(マーケジン)

本書の詳細な紹介。真面目な感じです。
 
人と環境にみる高次元のデータフローの生成と解析 | 2011年度 人工知能学会全国大会(第25回)
NHK「爆笑問題ニッポンの教養」の出演でも知られる複雑系研究者の池上高志氏が「マッシブデータに拡張した人工生命の理論化は可能か」という問いに向かい合う過程をセッションで公開した試み。
本書の著者である鈴木氏の出自がゲノム研究であることを考えると、ビッグデータビジネスとマッシブデータフローとの関係は字面の近似に留まらない根深いものだと言えると思います。
 
wonderful opportunity★
アーキテクチャの生態系で知られる濱野智史氏を含む座談会を大々的にフィーチャリングした同人誌『アーキテクチャの性体験』。
そこに掲載された〈性態系マップ〉が公開されています。
『ビッグデータビジネスの時代』はこの『アーキテクチャの性体験』のオトナ版あるいは未来版とでもいうべき内容だと思います。
 
20世紀環境史名古屋大学出版会 – 本が好き! Book ニュース
最新版 世界の資源地図青春出版社 – 本が好き! Book ニュース
世界国勢図会 2011/12年版―世界がわかるデータブック矢野恒太記念会 – 本が好き! Book ニュース
萱野稔人著『最新 日本言論知図東京書籍 – 本が好き! Book ニュース
 
 
 
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【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々とし、現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
「アセンション」というのは、僕の高みに人々が昇ってくることに過ぎない、と日頃から嘯いています。
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