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ジョブズを語るために、ラーメンと愛国、ゲーミフィケーション、言説、形象、そして文化系のためのヒップホップ。10月前半の人気記事紹介。

ジョブズ個人を単に追悼するだけではなく、彼を語るために=彼を理解するために読んでおきたい本。
それはまず第一に未来をつくった人々―ゼロックス・パロアルト研究所とコンピュータエイジの黎明だった。
ジョブズの名前を知っている人のなかで、いったい何割がパロアルト研究所のことを知っているでしょうか。その割合はとても少ないと思います。これは嘆かわしいことです。人々は無知すぎるのではないか。
僕は、パロアルト研究所のことを考えるとき、とても強く「人類の未来が明るい」という気持ちになります。
 
さて、10月もあと少し。今月の人気記事を振り返ってみました。
 
人気ランキングは下記のとおり。
1位:スティーブ・ジョブズを本気で語るために読んでおきたい8冊
2位:速水健朗ラーメンと愛国
3位:J.マクゴニガル幸せな未来は「ゲーム」が創る
4位:J=F.リオタール言説、形象(ディスクール、フィギュール)
5位:長谷川町蔵×大和田俊之文化系のためのヒップホップ入門
 
未来を作った人々 書影
ジョブズの決まり文句だった「ウィンドウズのGUIはマッキントッシュのパクリ」の、更に元ネタになったといわれるコンピュータ「ALTO」はパロアルト研究所で作られたものです。
他にも、パロアルト研究所は、それまでは夢物語でしかなかったようないくつものプロジェクトを実現し、現代人の生活のあちこちに浸透している技術の基礎を築いてきました。
ジョブズの功績が物凄いということに異論はありません。しかし孵卵器(インキュベーター)としてパロアルト研究所が果たしてきた役割もまた、とても重要です。
 
2位はラーメンと愛国
ラーメンと愛国 書影
アメリカの小麦戦略、イメージ分析、そして国土開発・ファスト風土化問題・ご当地ラーメンの関連を喝破する本書は、なんとなくそうではないかと思い描いていた絵図を的確かつ読みやすく整理してくれた1冊。膝をポンと打ちすぎて膝を痛めないように注意してください。それにしても速水さんの守備範囲は広大だわ…と思ったのですが、意外にライターの人達のラーメン好き率は高いような気がします。なんでなんでしょう。
 
3位はゲーミフィケーション関連書籍
幸せな未来はゲームが創る 書影
ソーシャルゲームはなぜハマるのか – ゲーミフィケーションが変える顧客満足『ドラゴンフライ エフェクト ソーシャルメディアで世界を変えるが定期的にアクセスを集めているのに加えて、今月は「ゲーミフィケーション」というキーワードの提唱者のひとりであるマクゴニガル氏の著作幸せな未来は「ゲーム」が創るが刊行されたことが影響していると思われます。
 
4位は、19日にとりあげた哲学書言説、形象(ディスクール、フィギュール)
既にゲーミフィケーション関連本に並ぶ注目を集めています。
とても分厚い難解な本で、しかも原書が刊行されたのが40年前という、ある意味でゲーミフィケーション関連本とは対極をなすように思われるかも知れません。
しかし社会運動との距離感の近さや、扱っている問題(人々の認識の構造や欲望の分析など)が近い1冊。
非常に興味深い並びだと思います。
 
そして5位は、先月後半に紹介した文化系のためのヒップホップ入門
本の評判がとても良いので、アクセスが集まってきてるのだと思われます。
ここ数年注目されている思想家の佐々木中氏や、上掲の『言説、形象』の関連リンクでも挙げた現代詩人の急先鋒・佐藤雄一氏らが、ヒップホップを重視していることとも関連しているのでしょうか。
気になるところです。
 
【関連リンク】
スティーブ・ジョブズとパロアルト研究所物語(改編版) – Macテクノロジー研究所
マッキントッシュのファン・松田純一氏が語るジョブズとパロアルト研究所のエピソード。
 
3年半待たされたラーメン文化史「ラーメンと愛国」を献本いただきました:[mi]みたいもん!
いしたにまさき氏による『ラーメンと愛国』紹介。「きっちり1つの魔改造の歴史をひもといている書物」とのこと。
読後の感想も拝見したい!
 
速水健朗さん『ラーメンと愛国』と文学フリマ告知 – Culture Vulture
『ラーメンと愛国』文中で参照されている論考「カップヌードルを知らなかった連合赤軍 独身者たちの一九七〇年代」の著者・近藤正高氏による紹介。
 
実社会の行動まで変えるゲーミフィケーション。 | 無限クエスト。
ゲーミフィケーションを紹介した日経新聞の記事に引用されたマクゴニガル氏の「ゲーミフィケーションの4つの要素」を元に考察された記事。面白いです。
 
Twitter / @parages: 先日出た待望のリオタール『言説、形象』は本当に読みどころ満載の本だ…
判断と崇高──カント美学のポリティクス著者・宮﨑裕助氏のtwitterでの紹介。140字未満ですが読む価値ありです。
 
・本が好き! 書評 『文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)』 by ふみよし
ふみよし氏による『文化系のためのヒップホップ入門』のレビュー。2500字以上におよぶ丁寧な書評です。

 
 
 
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【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々とし、現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
「BOOKニュース」では出版系のイベントからマニアックな新刊情報まで、本に関する情報を収集して紹介しています。
ユニークな本を出される出版社様、紹介させていただきたいので是非BOOKニュース宛に新刊を送ってください!
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