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【新刊】『ラーメンと愛国』講談社

ラーメン二郎は関内で「汁なし」に挑戦したことがあります。二郎体験はそれだけですが、もう二度と行きたくないです。
おかげさまで、そのあと観に行った『攻殻機動隊 S.A.C. SSS 3D』が忘れられない作品になりました。
それでも、ラーメンを毎晩零時くらいに食べ続けてこのまま死ぬと思っていた時代が僕にもありました。最近の話です。
あの、脳内から快楽物質が怒涛のように溢れ出す瞬間の崇高な体験を誰かイデオロギー的側面からまとめてくれないかと思っていたところ、まさに待望の刊行予定の情報。
タイアップの歌謡史』『自分探しが止まらない』『ケータイ小説的。―”再ヤンキー化”時代の少女たちの著者・速水健朗氏の最新刊です。まさか「愛国」というキーワードが登場するとは思ってもいませんでしたが。
 
講談社(http://www.kodansha.co.jp/)は、10月にラーメンと愛国を発売予定。
いまや「国民食」とも呼ばれるラーメン。
その始まりは戦後の食糧不足と米国の小麦戦略にあった。
“工業製品”として普及したチキンラーメン、日本人のノスタルジーをくすぐるチャルメラ、「ご当地ラーメン」に隠されたウソなど、ラーメンの「進化」を戦後日本の変動と重ね合わせたスリリングな物語。
 
ラーメンと愛国 書影
 
目次
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第一章 ラーメンとアメリカの小麦戦略
安藤百福の見た闇市の支那そば屋台/『サザエさん』に登場する「シナソバ」と「中華そば」/スパゲティナポリタンの誕生/生産力を持て余していたアメリカの小麦農家/日本人にとって特別な存在だった米と稲作/GOPANのヒットを後押しした自給率低下への危機感 etc.
 
第二章 T型フォードとチキンラーメン
日本人の兵器観にみる「一点もの至上主義」/デミングとドラッカー/大規模オートメーションから生まれる「魔法のラーメン」/ポパイはなぜ缶詰のほうれん草で強くなるのか/アメリカの朝食を変えたケロッグ社の宣伝戦略/子ども向け番組を提供して大ヒットしたチキンラーメン etc.
 
第三章 ラーメンと日本人のノスタルジー
『渡鬼』の五月(泉ピン子)はなぜラーメン屋に嫁いだのか/『ガラスの仮面』におけるラーメン屋の記号的役割/『ALWAYS 三丁目の夕日』とラーメン博物館/あさま山荘事件とカップヌードル/独身者のアパートからベトナム戦争の前線まで/そしてラーメンは国民食となった etc.
 
第四章 国土開発とご当地ラーメン
田中角栄を軸にした中央と地方のシーソーゲ-ム/「ラーメンの街」札幌の発見/万博を機に広がったファストフードとファミレス/ご当地ラーメンの進化とファスト風土化の同時進行/映画『タンポポ』に登場する「ラーメン通」という人種/「捏造された伝統」としてのラーメン列島神話 etc.
 
第五章 ラーメンとナショナリズム
メディアを通して体験された湾岸戦争/「環七ラーメン戦争」が夕方のニュースの話題に/“ラーメン屋から麺屋へ”というパラダイムシフト/政治的プロパガンダに担ぎ出された「佐野JAPAN」/「ラーメン二郎」という信仰/ファン獲得のヒントはコミュニケーション消費 etc.
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【関連リンク】
文筆家・近代ナリコの書評ブログ : 『ラーメンと愛国』速水健朗(講談社現代新書)
「中国を連想させる食べ物として偽装されているので、誰もアメリカ化とそれらが結びついているとは考えられない……直接的にアメリカのイメージを帯たハンバーガーやコカ・コーラやジーンズやハリウッド映画以上に、よほど巧妙なアメリカ化をもたらしていると言えるのではないか。」という本書の記述に着目した書評。
 
【A面】犬にかぶらせろ!: 『ラーメンと愛国』元ネタブックガイド
元ネタというと軽い感じですが、そこは音楽愛好家としてさまざまな引用を昇華した作品を分析してきた速水氏ならではの濃いラインナップです。
『ぶっかけめしの悦楽』が気になります。
 
ラーメンは民主主義のメタファーなのか?『ラーメンと愛国』(エキサイトレビュー) – エキサイトニュース
「寺山(修司)は、サラリーマンの種類を「ライスカレー人間」と「ラーメン人間」に分け、前者には《現状維持型の保守派が多くて》、後者には《欲求不満型の革新派が多い》としている。」丁寧な書評で読み応えあります。
 
著者本人による『ラーメンと愛国』告知〜解説〜ぼやき – Togetter
速水氏自身による本書関連つぶやきをまとめたもの。コミカルで読んでいて面白いです。
 
【A面】犬にかぶらせろ!: 講談社現代新書のカバーの色のひみつ
講談社現代新書のカバーの色がどうやって選ばれているのかという記事。
後半、堂々と新刊の宣伝をするところがさすがです。
 
ラーメン神話解体――丼の中にたゆたう戦後日本史:ソフトバンク ビジネス+IT
速水氏へのインタビュー。
 
ソーシャルゲームはなぜハマるのかソフトバンククリエイティブ – 本が好き! Book ニュース
関連リンクに「文化系トークラジオLife ゲームと社会設計」告知ページへのリンクを追加しました。速水氏がゲストに登場。
 
第1回ジャニーズ研究部「ディスコ文化として見るジャニーズ」に行ってきました – 本が好き! Book ニュース
速水氏もパネラーとして参加していた興味深いイベント。
大谷能生氏の歌をまた聞きたいです。
 
食とエロス(トーキングヘッズ叢書 No.48)書苑新社 – 本が好き! Book ニュース
死体写真家・釣崎清隆氏によるラーメン二郎についての文章が掲載されています。

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