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【新刊】『オーケストラの文明史 ヨーロッパ三千年の夢』春秋社

春秋社(http://www.shunjusha.co.jp/)は、9月にオーケストラの文明史 ヨーロッパ三千年の夢を発売した。
 
オーケストラはいつ生まれ、なぜ現在の姿をとるようになったのか。
人々がその響きに託してきた夢とはは何か。
時代ごとに変転するオーケストラの姿を描き、その響きに深く刻み込まれたヨーロッパの文化・思想を鮮やかに浮き彫りにした1冊。
 
オーケストラの文明史 ヨーロッパ三千年の夢 書影
 
目次
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1 古代世界への憧憬
ギリシア劇場の一空間/オペラ『オルフェオ』/アカデミーと呼ばれたオーケストラ
 
2 宮廷という宇宙
礼拝堂に入り込んだ器楽/覚醒した「個」の集団/聖から俗へ/エクス・マキーナ
 
3 ボーダーとボーダーレス
究極のローカル・カラー/絶対主義と通奏低音/宇宙の調和と君主の権威/フィルハーモニー=調和への愛
 
4 覚醒の響き
百科全書になかった「オーケストラ」/ライプツィヒの場合/クローズアップされる弦四部
 
5 交響楽団とベートーヴェン
啓蒙君主の改革 私から公へ/公共性をそなえたメディアとして/異彩を放つ「第九」
 
6 「普遍性」とオーケストラ
聖典となった楽譜と特殊楽器/小さな王たちの改革/「普遍の響き」の光と影
 
7 専門家のユートピア
ディレッタントとは何だったか/定期演奏会の不思議/平等の時代の教育
 
8 機械仕掛けの管弦楽? 
機械劇場と化したオーケストラ/新たな発見――「精神性」/聖所としてのコンサート・ホール
 
9 共同体の夢と現実
コンサートマスターの立ち位置/指揮者は英雄か?/エリートvs俗物/消されたオーケストラ
 
10 崩れゆく世界の彼方に
「室内交響曲」の衝撃/変わり果てたオーケストラ/楽隊からオーケストラへ 日本の場合/日本型「共同体」の難しさ/新たな共同体を目指して
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★「本が好き!」編集部ナガタのコメント★
デューク・エリントンやギル・エヴァンス、ポール・モーリアやイエロー・マジック・オーケストラにいたるまで(DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENやシンフォニック・メタルまで?)、多種多様な音楽ジャンルの「オーケストラ」のイメージの元には、いわゆる西洋クラシック音楽のオーケストラがあります。
しかし、「オーケストラとは何か」と問われたときに簡単に答えられないくらい、オーケストラのイメージは多様性を持っています。
本書は、そのオーケストラのイメージに書き込まれた複雑なヨーロッパの歴史を読み取り解説。
また、ヨーロッパから遠く離れた日本でも当たり前のようにオーケストラに触れることの意味にも話題を展開しており、興味深く読めます。
同様のテーマを扱った、
文化としてのシンフォニー〈1〉18世紀から19世紀中頃まで
文化としてのシンフォニー〈2〉19世紀中頃から世紀末まで

と併せて読みたい1冊です。
 
【関連リンク】
辺境・周縁のクラシック音楽 〈2〉 中・東欧篇』青弓社 – 本が好き! Book ニュース
音楽と数学の交差大月書店 – 本が好き! Book ニュース
マス・リテラシーの時代―近代ヨーロッパにおける読み書きの普及と教育新曜社 – 本が好き! Book ニュース
クレズマーの文化史 : 東欧からアメリカに渡ったユダヤの音楽人文書院 – 本が好き! Book ニュース
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【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々とし、現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
「BOOKニュース」では出版系のイベントからマニアックな新刊情報まで、本に関する情報を収集して紹介しています。
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