読書ガイド「本が好き!」が運営するニュースサイト

【新刊】『見えない流れ』彩流社

彩流社(http://www.sairyusha.co.jp/)は、9月2日に見えない流れを発売する。
 
「ジャスミン革命」で世界的に知られることになった北アフリカのチュニジア。
首都チュニスの80年代から90年代はじめ頃を舞台として、普通の兄妹の日常と恋を中心に、暖かい人間観察と哲学的な議論を交えながら描く。
「普通の人びとの生活や街角の光景のモザイクから、静かに、 鮮やかに浮かび上がる人間の幸福や真実、そして普遍性。 輝きを放つ言葉としなやかな感性で紡がれる傑作小説(出版社サイトより)」。
 
見えない流れ 書影
 
★「本が好き!」編集部ナガタのコメント★
チュニジアは近隣のアルジェリアやリビアとともに都市国家カルタゴの領土であり、のちに古代ローマ帝国に「アフリカ属領」として組み込まれた、「アフリカ」と最初に呼ばれた地域の中心地。
古代ローマ帝国の衰退、ゲルマン人による支配、イスラム勢力の浸透、イスラム文化の開花、そして19世紀の近代化・フランスによる属国化、チュニジア共和国としての独立、そして先日の「ジャスミン革命」で妥当されるまで20年以上も政権を独占したベンアリー大統領の時代。
本書は、ヨーロッパや近隣アラブ諸国との緊張関係の中で独自の近代化路線を模索していたチュニジアの、ベンアリー政権成立前後の時代が本書の舞台となっています。
著者エムナ・ベルハジ・ヤヒヤ氏は、1945年チュニスに生まれ、フランスのソルボンヌ大学・大学院で哲学を専攻し、哲学教師などを経て、権威ある公的文化機関であるチュニジアン・アカデミー館長を務めました(2005年退職)。
また訳者の青柳悦子氏は、デリダで読む『千夜一夜』バフチンを読むなどの著者でもあり、訳書に言葉の国のアリス——あなたにもわかる言語学があります。
この小説は、遠い辺境の小さな物語の体裁をとりながら、世界規模で進行する「近代化」の軋轢とともに日常を生きることの苦味や美しさを描いたものだと思います。
 
【関連リンク】
『植民地を謳う シャンソンが煽った「魔性の楽園」幻想』現代企画室 – 本が好き! Book ニュース
『世界国勢図会 2011/12年版―世界がわかるデータブック』矢野恒太記念会 – 本が好き! Book ニュース
『日常の相貌 イギリス小説を読む』水声社 – 本が好き! Book ニュース
 
訳者・青柳悦子氏のホームページ

業績や受賞歴のリストがあります。
 
青柳悦子の考えたこと日記 – Yahoo!ジオシティーズ
訳者・青柳悦子氏のブログ。チュニジアやアルジェリアの政変や社会状況についても書かれています。
 
 
 
============================================================================
【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々。現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
「BOOKニュース」では出版系のイベントからマニアックな新刊情報まで、本に関する情報を収集して紹介しています。
ユニークな本を出される出版社様、紹介させていただきたいので是非BOOKニュース宛に新刊を送ってください!
twitterアカウント(@honzuki_news)でもときおり呟いております。

コメント

コメントの投稿

コメント(必須)