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【新刊】アマルティア・セン『アイデンティティと暴力: 運命は幻想である』勁草書房

勁草書房(http://www.keisoshobo.co.jp/)は、7月9日に新刊アイデンティティと暴力: 運命は幻想であるを発売した。
 
厚生経済学への貢献によりアジア人としてはじめてノーベル経済学賞を受賞したハーヴァード大学経済学・哲学の教授アマルティア・センによる、暴力に満ちた世界への提言。
本書では、世界史、哲学、経済学などの豊富な知見をもとに、ハンチントンやサンデルらの過誤を指摘し、21世紀の世界を読みとく新たな枠組みを提示する。
アイデンティティは与えられたものではなく、理性によって「選択できる」とし、「アイデンティティの複数性」こそが重要だとする。
 
アイデンティティと暴力 書影
 
「一人の人間がなんら矛盾することなく、アメリカ国民であり、カリブ海域出身で、アフリカ系の祖先をもち、キリスト教徒で、リベラル主義者の女性であって、かつヴェジタリアン、長距離ランナー、歴史家、学校の教師、小説家、フェミニスト、異性愛者、同性愛者の権利の理解者、芝居好き、環境活動家、テニス愛好家、ジャズ・ミュージシャンであり、さらに大宇宙に知的生命が存在し(できれば英語で)緊急に交信する必要があるという考えの信奉者となりうるのである。一人の人間が同時に所属するすべての集合体がそれぞれ、この人物に特定のアイデンティティを与えているのだ。・・・人のアイデンティティが複数あるとすると、時々の状況に応じて、異なる関係や帰属のなかから、相対的に重要なものを選ばざるをえない。(本文より)」。

★「本が好き!」編集部ナガタのコメント★
なんでもアニメに関連させて考えるべきではないとは思うのですが、アイデンティティ・暴力・運命・幻想と言われると、どうしても先日放送が開始された幾原邦彦監督の『輪るピングドラム』のことを思い出してしまいます。

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アイデンティティと暴力―運命は幻想である [著]アマルティア・セン – 姜尚中(東京大学教授) – 書評
– BOOK asahi.com:

姜尚中氏による本書の書評。

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