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【新刊】『ゾンビ映画大マガジン』洋泉社

洋泉社(http://www.yosensha.co.jp/)は、7月11日にゾンビ映画大マガジンを発売した。
 
ゾンビにまつわる「カルチャー」は、映画はもちろん、文学、ゲームにiphoneアプリにまで増殖しているといわれる。
本書はそんなゾンビ・カルチャーの入門書。
伊東美和、山崎圭司、高橋ヨシキ、中原昌也という錚々たるメンバーによる「新世紀ゾンビ映画座談会」、映画『ゾンビ』を世に送り出したゾンビ映画の太祖ジョージ・A・ロメロ監督への町山智浩氏と伊東美和氏によるインタビュー、ゾンビ映画80年分の歴史紹介、2002年から2010年までの300本以上にわたる全ゾンビ映画のレビュー、そして日本の「ニューウェーブゾンビ映画」の紹介など、充実した内容となっている。
 
ゾンビ映画大マガジン 書影

★「本が好き!」編集部ナガタのコメント★
巻頭の座談会ののっけから中原昌也氏のノリが全開で感動しました。
2000年代に入ってから安易に走り回るゾンビがゲームの雑魚キャラ的な位置に収まってしまったことへ不満をぶちまける一方で、ゾンビとエロの両立や、インターネットの普及とゾンビの関係などについて駄弁りながらも考察が深まっていく、興味深い座談会でした。
最初は「ありがちなゾンビ映画本かあ、もういいかげん食傷気味だよ……」と思ったのですが、これは一味違う1冊でした。
2012年公開予定の日本発メタ・ゾンビ映画『ゾンビ学入門』も非常に面白そう。
 
歴代の日本SF評論賞受賞者でつくる「SF評論賞チーム」による意欲的なブログ21世紀、SF評論で、評論家の藤田直哉氏がまとめているように、伊藤計劃氏の未刊の遺作「屍者の帝国(伊藤計劃記録に収録)がゾンビものだったことは重要です。
藤田氏は、規律訓練型権力を前提とする近代的な人間のモデルに対して、現代的な環境管理型権力が支配する世界に生きる人間のモデルとゾンビとを重ね合わせて語ります。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』やアニメ『東のエデン』に言及しながら藤田氏は、ゾンビが象徴するものの意味合いの変化を語っていますが、このあたりは、本書と併せて読むと深みが増すように思います。

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