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ホリエモン「収監」に寄せて 堀江貴文氏の著作の書評特集

[Text by 本が好き!Bookニュース編集部 ナガタ]
 
先日、朝日新聞出版社が6月に発売したホリエモンこと堀江貴文氏の著作『収監 僕が変えたかった近未来』を読みました。
批評家・小説家であり自身で出版社の経営もしている東浩紀氏との対談が載っているので気になったのです。
また、堀江氏の考える「近未来」、そしてロケット事業にかける熱意も前から気になっていました。

収監 書影


巻末収録の東氏との対談で、東氏は「基本的に革命は亡命知識人が起こす」、日本に不満を抱いている堀江氏はなぜ亡命しないのか、と問いかけます。
これに対し、堀江氏は、日本には食文化とロケット開発がある、だから日本を見捨てることができないと答えていました。
このあまりにも単純なメッセージに、僕は強く胸を打たれました。
こういう根本的な問いに対して簡潔に回答するところを見て、堀江氏は非常に聡明な人なんだなあと感じ入った次第です。
普通の人はこうもあっさりと、単純明快な回答はできません。

そんな堀江氏、今度の「収監」にあたって、入所前に既に複数の出版社と打ち合わせを済ませ、収監されてから7冊もの本を出版する予定になっているといいます。
また獄中からメールマガジンを発信する手はずも整えているそうです。
動きが速い。
その堀江氏の動きに応じることのできる人がたくさんいる、すごい時代だなあとあらためて思わされました。

さて、その堀江氏は話題になった著作がたくさんあります。
『本が好き!』のレビュアーさんたちは堀江氏の本をどう読んだのか、今回はそれを紹介していきたいと思います。
(それぞれのレビュアーさんの書評から一部を抜粋してご紹介します)

まずは、堀江氏を中心に大きく世間が同様したいわゆる「ライブドア事件」について、堀江氏本人がフィクションを交えて小説化した『拝金』

拝金 書影

▼============wakkyさんの書評============▼

特にお金に対する意識についての描写が非常に参考になった
 日本人はとかくお金を軽視しがちでそのせいでお金に振り回されがちだ、というイメージがあるのだけれど、この本を読む人が増えることで、少しでもお金に対する意識を高めて、お金に振り回されるのではなく、お金をコントロールできるような人たちが増えればいいなあ、思った

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僕はちょっと浪費家のケがあるのですが、気楽に遣ってしまってお金がなくなり、結果としてお金に振り回されるというのは、身に沁みてとてもよくわかります。
きちんとコントロールしなければならないなあ、お金。
そうか、そういう意味での『拝金』なのか。
金の亡者になるのではなくて、お金を大事にして、大事だからきちんとコントロールする、という発想。


一番書評数が多かったのは『君がオヤジになる前に』

君がオヤジになる前に 書影

▼============だいもんさんの書評============▼

突き抜けるのをやめたとき、社会からはみ出ないようにしたとき、そう、思考を停止したとき、オヤジになる。そうならないためには? 漫画「カイジ」作者との対談が非常に魅力的

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僕は三十路になって少し経ちますが、この本のことを考えるといつも微妙な気持ちになります。
僕はオヤジになってしまっているのではないか、と。
年下の友人と話をしていると、いつも彼らからはおっさんに見られているのだろうなあとは思うのですが。
ともあれ、そんなことは重要ではない、と堀江氏は言います。
社会からはみ出ることを恐れ、思考を停止するとき、オヤジになるんだ、と。
うーん。
「突き抜ける」とか「社会からはみ出ることを恐れない」と言えば聞こえはカッコいいのですが、僕などは「社会からはみでないように思考する」のに精一杯で、何も考えないで社会の枠の中に留まっているなんていうことはどうしてもできそうにないです。
何も考えないでも社会に適応できるような、優秀で優等生的な人には有効な考え方なのかも知れません。
そうは言っても、既存の枠組みにはまらない考え方をどこかでするようにしていないと、それはそれで社会から不要な「つまらない」人間になってしまうのかも。




そして一問一答形式で、堀江氏がインタビュアーからの質問にどんどん答えていく『まな板の上の鯉、正論を吐く』

まな板の上の 書影

▼============カラス店長さんの書評============▼

どの質問にも明確な言葉でズバッと回答してきます。
しかも、立ち位置が明確でブレない!
政治家がズバッと言い切るのと訳が違います。
(政治家は絶えず立ち位置が変わります)

あまりにも明確な答えに対して、逆に色々考えながら読みました。

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普段から物事を多角的に突き詰めて考えていないと、質問に対してズバッと答えることはできません。
これってとても大事なことなんです。でも難しい。
たしかにビジネスマンや政治家には必要な能力だと思います。
ただ、どうなんだろう、最近は美術や文学の世界でも、こういう広い視野と深い思考に裏打ちされた断言が支持を集めていて、僕もそれはある程度まではいいことだし面白いと思っているんですけど、エンターテインメントになりすぎて、合理化されすぎることについて、言い淀んでしまう不安というのはまだあります。
その不安をなんとかうまく言葉にできたらいいなと思ってます。

さて、堀江氏の生身の体は近日中に「収監」される、と法的に決定されてしまいました。
しかし、いかに日本の社会体制が、革命が必要なほど「腐っている」としても、堀江氏の言葉を読む人の行動まで制約したりはできません。
ともあれ、本当に面白い人が面白い時代に生きている、という実感をあらたにしました。
堀江氏の今後の活動には引き続き注目していきたいと思います。

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