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【新刊】『アメリカの影のもとで 日本とフィリピン』法政大学出版局

法政大学出版局(http://www.h-up.com/)は、6月8日に『アメリカの影のもとで (サピエンティア)』を発売する。

1899年に始まり1913年にフィリピン共和国の敗北に終わった比米戦争の結果、フィリピンはアメリカ合衆国に併合された。
 
続くアジア太平洋戦争によって日本がフィリピンを侵略したが、この大戦に敗北し、日本もアメリカの占領下におかれることになる。
アメリカによる支配という、日本とフィリピンに共通する経験がそれぞれの社会や文化に与えた影響を、日比の研究者がともに比較考察する。

 

アメリカの影のもとで 書影

★「本が好き!」編集部ナガタのコメント★
イギリスと日本が似ているという話はよく聞くのですが、フィリピンと日本もかなり似ているのではないかと個人的には思っています。
 
しかしユーラシア大陸から海を隔てたアジアの島国という共通点がありながら、フィリピンと日本を比較する人は珍しいという印象があります。
大航海時代にスペインに征服されてしまったフィリピンと、全面的な植民地化を避けることができた日本という大きな違いはありますが、本書の指摘するとおりアメリカの支配を受けたということも両国の共通点です。
単に日本とフィリピンを比べるだけではなく、移民というダイナミックで根の深い問題にも踏み込んでいる点できわめて興味深い1冊だと思います。
 
目次を見る限り、日本におけるパフェや餡蜜にフィリピンの「ハロハロ」という独特のスイーツを対置して比較している論考がないのが、しいて言えば非常に残念です。
スイーツに関しても、アメリカン・ウェイ・オブ・ライフの影響を両国ともに強く受けているはずなのですが……。
餡蜜、パフェ、ハロハロといえば、スイーツの歴史を真面目に追ったら相当面白いと思うのですが、どなたかご存知でしたらコメント欄やtwitterで教えてくださるととても嬉しいです。
関連書籍には、先月に現代思潮新社から刊行された、日本兵と日比のハーフの現地民との太平洋戦争のただなかの交流をアメリカ人著者が日本語で描いて話題になっている『潮汐の間』に関する情報です。

 

【関連リンク】
日米衝突の根源 1858―1908』 [著]渡辺惣樹
– 柄谷行人(評論家) – 書評 BOOK asahi.com
19世紀に遡って、アメリカの環太平洋戦略から日米関係を読み解く一冊を、思想家として知られる柄谷行人氏が簡潔に紹介している。

 

『植民地を謳う シャンソンが煽った「魔性の楽園」幻想』現代企画室 – 本が好き! Book ニュース
紀伊國屋書店新宿本店5階で『潮汐の間』フェア開催中 – 本が好き! Book ニュース
【終了】紀伊國屋新宿本店で『潮汐の間』著者フィスク・ブレット氏のトークイベント – 本が好き! Book ニュース
 

・本が好き! 『アジアにおけるアメリカの歴史事典』

 
 
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【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々。現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
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