読書ガイド「本が好き!」が運営するニュースサイト

なぜか少女とキノコを並べて見せる奇妙な図鑑『少女系きのこ図鑑』

最近、巷では「きのこ」がブームである。これは今年生誕100周年を迎えたアメリカの現代音楽家ジョン・ケージが、大のきのこ好きだったことと関係あるだろう。さて一般には、野に咲く花のようにひなたの存在でないきのこは、文字通りの日陰者とみなされがちである。しかしそのジメジメしつつも美しく興味深い姿に惹かれる人は多い。
 
そういった独特の角度から「きのこ文学」を研究している写真家・評論家の飯沢耕太郎が監修した、奇妙なイラスト集が刊行された。その名も少女系きのこ図鑑。イラストは、玉木えみさんという実に可愛い絵を描くイラストレーターが手掛けており、1ページごとにだいたい1種のきのこと、そのきのこをイメージした少女が描かれている。
 

 
本書は、左ページにきのこの名称と和名・学名・所属、食毒についてのグラフ、実際のきのこの姿、性質、そして、ときどきそのきのこが登場する文学作品からの引用が書かれている。
右ページには、先述の通り、イラストのきのこと、そのきのこをイメージしたとても愛らしい少女たちが描かれる。
 
僕のお気に入りは、キシメジ科ハイイロシメジ属Clitocybe acromelalgaこと
「ドクササコ」

このきのこは、有名な毒きのこで、食べてしまうと「焼け火箸を刺すような激しい痛み」を伴って手足の先が赤く腫れてしまうのだという。イラストの少女の足には火箸が刺さって痛々しいが、そもそも毒きのこなので、その表情はどこか悪戯っぽい。
左ページには、中井英夫名無しの森所収の「あるふぁべてぃく」からの引用が掲載されている。
 
もうひとつのお気に入りは、ナヨタケ科キララタケ属Coprinellus disseminatusこと
「イヌセンボンタケ」

「小さくもろいため食用には不向き」というイヌセンボンタケは、切り株などに生える小さな白いきのこ。数百から数千本が大量発生するという。
添えられた文章は、加賀乙彦くさびら譚からの引用。
 
【関連ページ】

『少女系きのこ図鑑』新刊超速レビュー HONZ

『HONZ』さんの新刊超速レビューでも紹介されていたのでリンク。
こっちの記事では「ヤマドリタケ」と「ドクツルタケ」のイラストが紹介されています。
飯沢耕太郎氏はこの文脈では「きのこ文学研究家」ということで定着しつつありますね…
 
==================================
【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々。現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
==================================
==================================

 
「BOOKニュース」では出版系のイベントからマニアックな新刊情報まで、
本に関する情報を収集して紹介しています。
ユニークな本を出される出版社様、
紹介させていただきたいのでBOOKニュース宛に新刊をぜひ送ってください!
↓宛先はこちら↓
〒333-0834
川口根岸郵便局留
Bookニュース 永田希

twitterアカウント(@honzuki_news)でもときおり呟いております。
RSSフィード購読はこちら。

コメント

コメントをお寄せください。

コメントの投稿

コメント(必須)