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毎日眺めているだけで「東洋の神秘」に迫れちゃうカレンダー‘2013

白川静といえば、字源辞典字統・古語辞典字訓・漢和辞典字通の「字書三部作」で知られる東洋学者。巨大な知識の体系に基づく、漢字学から「東洋的なもの」を解き明かそうとするその思想はいまだ強い影響力を持っている。今回紹介する白川静 漢字暦は、その白川静の漢字学の膨大な蓄積の中から、「はじめ」という訓読みを共有する漢字「一」「元」「肇」「始」「初」を1月に、「すすむ」という訓読みを共有する漢字「競」「発(發)」「先」「進」「前」を2月に、といったように、同訓字を12組、客月に割り振って簡単な解説を添えたカレンダー。
 
ひとつひとつの文字の意味は単純だが、似た意味を共有した他の字との意味の差異や、由来の違いを知ることで、言葉に対する深い知識を得ることができる。白川漢字学、そして白川静の東洋思想はあまりに深遠で、気楽に手を出しにくい印象があるかも知れないが、こんな素朴なカレンダーから入門してみてもいいかも知れない。
 

 
たとえば1月の「はじめ」。
「一」の字は、「数を数えるときに使う算木を横においた形。一本の算木によって数の一を表し、「ひとつ」の意となる。一は数のはじめであり、またすべてを合わせて一とするので全一の意がある」。
「肇」の字は、「戸+聿+攴、戸は神棚の片開きの戸の形。聿は書。神棚の扉を手で啓いて、祝禱の書を見ることを肇といい、神意を承け、それによってことをはじめる意である」。
など。
「一年のはじまりだ~」と言っても、そのときに「一」という字が表す「すべてを合わせて一とする全一の意」や、「肇」という字が表す「神棚を啓いて神意を承け、それによってはじめる意」を知っていると、不思議と厳かな気持ちになることができるのではないだろうか。「神は死んだ」と言われる現代にあって、無闇に文字を神聖化して、いたずらにカルトめいたことをしてもあまり意味は無いかもしれない。それでも古代から人々が漢字に込めてきた意味に思いを馳せるのは楽しい。まずは気楽に漢字の意味を知ることからはじめても何も悪いことはないだろう。

 
 
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【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々。現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
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