読書ガイド「本が好き!」が運営するニュースサイト

地名です「大凸部」さて何と読むでしょう?『東京の地名の由来』

まるごと一冊!東京の地名の由来』 (ユーキャン)が刊行された。
 
本書は、東京都内の全62市町村の「地名の由来」を網羅的に紹介する1冊。
東京に住んでいたり仕事で通っていたりする人なら、自分の家や職場の住所から適当に地名を選んで由来を調べてみるといい。1ページ足らずの簡単な紹介のなかに、凝縮された歴史の味わいがある。類書はすでにいくつも刊行されているが、本書は紹介がとても簡潔で語り口も柔らかく、また風情のある写真が多数掲載されているのも嬉しい。散歩のおともに、またお出掛けの際の事前調査に、小説や映画の味わいを増すためのブースターとしても気軽に手に取れる良書だ。東京に観光に来る友人がいたら、この本を片手に薀蓄を披露してもいいかも知れない。
 

<<献本のご応募はこちらまで>>
 
先日、ある友人と話していて、彼が通っていた大学のある「八王子市」について、「八王子ってなんだよ、一から七はどこ行ったんだよ」というようなバカ話をしていたのだが、本書によると「八王子」というのは平安時代に「8人の王子を祀った」という由来があるらしい。
こういったいわゆる「地名の由来」のほかに、たとえば新宿周辺にある「牛込柳町」「牛込神楽坂」などのように頻出する「牛込」の由来も紹介されている。「牛込」は、もともとは牧草地で、たくさんの牛が群れていたことから名付けられた「牛込区」という地名の名残りだという。このほかにも「田町」や「御茶ノ水」のような、厳密には地名としては現存していないが、呼称として残り続けているものについて、かつてどこがそう呼ばれていて、なぜ地名として残っていないのかというところまでも紹介している。

 
それにしても「多摩北部の西東京市」とか、北なのか西なのか東なのかよくわからなくて面白いですね。あと難読地名も凄い。「人里」と書いて「へんぼり」とか「大凸部」で「おおとんぶ」とか読めません。
 
なお、世の中には地名とか地図が好きでたまらなくなり、自分で空想の地図を描いてしまう人がいる。「空想都市へ行こう! / 地理人が、空想都市を詳細地図で描く。」の作者、地理人(”ちりじん”と読む)さんもその一人だ。7歳の時から地図を描き、いまでは架空の都市のための電車のダイヤ、バスのデザインまで考えているという変わり者。
実は僕、彼が制作に関わった映画に「出演」しているんです。佐々木友輔という若手の映画監督の『アトモスフィア』という映画で、地理人さんは架空の町名、その街の地理の設定を担当し、映像には一回も登場しない精緻な地図(もちろんすべて架空の地名で埋まっている)を用意していました。佐々木監督自身が住んでいる茨城県取手市・守谷市周辺をモデルに、大震災の影響で封鎖されることになった街に留まるべきか居続けるべきか迷う若い夫婦を中心にした、不穏な空気と謎に満ちた映画です。
来たる9月21日と10月7日に上映される予定なので、興味のある方は是非。

 
目次
==================================================

地名の由来を知り、時空を超えた東京歩きを(浅井健爾
東京都(全体MAP)
 
第一章 東京が生まれるまで
江戸以前 江戸の誕生 東京府に、そして東京都へ
コラム 多摩が神奈川から東京になったワケ
 
第二章 23区 編
千代田区
中央区
港区
新宿区
文京区
台東区
墨田区
コラム 東京23区 いろいろランキング
江東区
品川区
目黒区
大田区
世田谷区
渋谷区
中野区
杉並区
コラム 東京23区”区章”当てクイズ
豊島区
北区
荒川区
板橋区
練馬区
足立区
葛飾区
江戸川区
コラム 東京の不思議な”境目”
 
第三章 市部 編
多摩東部
 武蔵野市 三鷹市 調布市 狛江市 小金井市 府中市 国分寺市 国立市
多摩西部 
 羽村市 あきる野市 青梅市
多摩北部
 清瀬市 東久留米市 西東京市 東村山市 小平市 東大和市 立川市 武蔵村山市 福生市 昭島市
多摩南部
 稲城市 多摩市 町田市 日野市 八王子市
 
第四章 郡部 編
西多摩郡
 奥多摩町 日の出町 瑞穂町 檜原村
 
第五章 島嶼部 編
伊豆諸島
 伊豆大島 利島 新島 神津島 三宅島 御蔵島 八丈島 青ヶ島
小笠原諸島
 父島列島 母島列島 火山(硫黄)列島
コラム 東京難読地名 読み当てクイズ
 
地名さくいん
==================================================

 
==================================
【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々。現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
==================================
==================================

 
「BOOKニュース」では出版系のイベントからマニアックな新刊情報まで、
本に関する情報を収集して紹介しています。
ユニークな本を出される出版社様、
紹介させていただきたいのでBOOKニュース宛に新刊をぜひ送ってください!
↓宛先はこちら↓
〒333-0834
川口根岸郵便局留
Bookニュース 永田希

twitterアカウント(@honzuki_news)でもときおり呟いております。
RSSフィード購読はこちら。

コメント

コメントをお寄せください。

コメントの投稿

コメント(必須)