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非モテ必見!超絶美女が舞い踊るインドSFアクションで学ぶモテ三か条

6月1日から、渋谷TOEIで上映されているインド映画ロボット 完全版は必見の作品だ。天才ロボット学者が作り出した最強の兵器ロボットが、人間の女性に恋い焦がれるようになり、彼女を拉致して自らの王国を築こうとするという筋書きの超SFアクションミュージカル大作。
 
この映画があまりにも素晴らしかったので、先日発売された恋愛小説読むだけで彼女ができる-モテる小説を横に置きながら、その魅力を説明していきたい。ちなみに『モテる小説』は、人気ブロガーのココロ社氏が書いた小説。恋愛を「プロジェクト」として捉え、ビジネス書のスタイルで恋愛指南書としても読めるように書かれた一冊だ。
 

okamaによる表紙の水着女子が強烈に可愛い
 
なお『モテる小説』は、世の中に流通しているあらゆる恋愛小説やテレビドラマの非現実性に疑問を提示する「超写実的小説」だということで、恋愛の退屈さや非情さをそのまま描き出している。
 
他方『ロボット』は、現実のかけらもない荒唐無稽の物語のようでありながら、要所要所に妙にリアルな社会問題が織り込まれている。
 
例えば、『ロボット』の主人公である天才ロボット学者バシーには、物語の始まりから既に超美人の若い婚約者サナがいるのだが、この婚約者はハリウッド女優顔負けの美貌の女子大生で、慈善活動に勤しむ良家のお嬢様。どんなご都合主義だよ、と思われるかもしれない。しかし、主人公は住まいや家族の服装などから一目瞭然なように、いわゆる上流階級の出身である。つまり恵まれた家庭に生まれたがゆえに美人の恋人をゲットできたのだろう。
映画『ロボット』最大の魅力はこのサナ役のアイシュワリヤー・ラーイさんの美しさだ。インド映画の実力が端的に発揮されている。この超絶美女が映画のスクリーンの上で様々な美しい衣装で、あられもない姿をして舞い踊り続けるのだ。ミスワールドに選ばれたこともある彼女の姿を堪能するためだけに本作を観にいってもいい。

↑アイシュワリヤー・ラーイさんのナイスな動画。詳しくはわかりません。
 
なお、この天才ロボット学者に創造されたロボット「チッティ」のほうはといえば、フランケンシュタインよろしく、生まれながらにして恋人になる相手のいない存在だ。まさに生まれつきの非モテ。『ロボット』は究極の非モテによる、世界との戦いを描いた物語なのだ。
 
「ロボット」の語源はチェコ語の「労働」。人間的に生活することができない環境に生きている人々の暗喩として文学的に扱われてきた呼称でもある。

 
さて、『モテる小説』のほうの主人公は、文具メーカーの営業部に務めるサラリーマン。まさに労働者だ。そして、彼には恋人はいない。彼は通勤電車で毎朝乗り合わせる女性に恋愛感情を持ち、付き合いたいと思うようになる。そして告白し、いわゆる玉砕を経験する。
 
『ロボット』のチッティも、天才ロボット学者バシーの婚約者サナに愛の告白をして玉砕する。サナは、「あなたはお友達で、恋愛対象にはできない」と言う。リベラルに考えれば、友達にできるのに恋愛対象として考えられないのは不思議だ。理由になっていない。ロボットにはそれが理解できない。僕も理解できない。
 
しかし告白されたサナの気持ちになれば、そこに不思議なことはないのだ。上流階級に生まれ育ったバシーと結婚すれば、人間としては最上位の生活が約束されている。いくら高性能とはいえ、ロボットであるチッティと生きていくことはまったく未知の生活だ。そこに不安がないはずがない。
 
『モテる小説』では「片思いは時間の無駄」と喝破している。深追いをする時間があれば次の恋人を探すべきだ、というのだ。脈がないときは脈がない。運が悪かったのだ。相手を無理に説得しようとしたりしても逆効果になるばかり。
 
『ロボット』のチッティも、玉砕したあとすぐにほかの相手を探せばよかったのだろう。そうしていれば、自ら悪の権化となることもなく、あんなにたくさんの人々が殺されることもなく、自分も解体されずに済んだ筈なのだ。
 
ところで『モテる小説』で唱えられている「モテるための三か条」は次のとおり。
 
一刻も早く動くこと
ひとつの対象に時間をかけないこと
なるべく多くの対象にあたること

 
史上最強のロボットであるチッティは、行動に移るのは早かった。しかし、サナという1人に固執するあまり、他の恋人を探すことをせず、壮大な悲劇を演じることになった。
 
チッティの暴走は『マトリックス』や『トランスフォーマー』をも凌駕する映像表現を生み出したけれど、僕たちのような労働者に夢を与えてはくれなかった。モデルケースとしてのチッティは完全に反面教師である。
 
『ロボット』の、破格のスケール感に溢れたCGシーンの数々がどんなに素晴らしくても、豪奢な生活を当たり前のように享受しているバシーとサナに対して抱いてしまう羨望の卑屈さは観客の心に残される。
 
『モテる小説』では、読者が恋愛を「仕事のひとつ」とみなして、自分を「商品として高く売る」ことが説かれている。チッティにはそれができなかった。
 
なおバシーとサナは自分たちを商品として売る必要の無い立場に生きている。彼らは勉強したり研究に没頭したりするが、仕事はしていない。世の中にはそういう立場の人がいる。
 
読者各位に問いたい。あなたにはもう恋人はいるだろうか。「まだいない」と答えたあなた、あなたは自分を高く売る努力をしているだろうか。
 
【関連書籍など】


 
目次
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一章 「愛の告白」は必ず失敗する
第二章 「片想い」という、壮大な時間の無駄遣い
第三章 恋愛小説と現実の恋愛はまったく別物である
第四章 プロジェクトとしての恋愛
第五章 「まず自分のしたいことを書いてみましょう」
第六章 出会いはいつも不自然なメールから
第七章 恋愛のPDCサイクルを回す
第八章 深追いする時間があれば次の恋人を探そう
モテるための三か条
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『ロボット』予告編はこちら。
ちなみに予告編よりも本編のほうがスゴい映画を久しぶりに観ました。
 
 
 
 
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【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々。現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
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コメント

  1. うわ~このインド映画,ぜひ観たい!すごく観たい!
    でも私の住む田舎には映画館さえないんです(>_<)
    美女のお相手はやはりラジニカーントですよね?
    この方,全然歳をとらないような気がするのですが,もしかしてロボット?(^_^;)

    • YES!
      美女のお相手は、かの「スーパーヒーロー」ラジニカーントです。
      たしかに御年おいくつなんですかね……
      僕はこの作品を劇場で観られた幸運に打ちひしがれました。

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