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画家にして美術界のアウトサイダー、巨匠デュビュッフェの生涯を追う

今回取り上げるのは、評伝ジャン・デュビュッフェ アール・ブリュットの探求者(青土社)。
20世紀フランスを代表する画家のひとりでありながら、日本ではまだ知名度の低いデュビュッフェ。
その一生を、読みやすく飄々とした語り口で綴った1冊です。
 
デュビュッフェは、「アウトサイダー・アート」と日本では呼ばれることの多い「正統な美術教育を受けていない人による美術的な表現」の評価に力を入れた人物でもあります。アウトサイダー・アートは、精神科医で評論家でもある斎藤環が講演のテーマにするなど、一定の評価を得てきています。デュビュッフェは自らも画家であり、その活動と並行しながら、「アール・ブリュット」(フランス語で「未加工の芸術」という意味)と呼んで、アウトサイダー・アートの紹介に精力的に取り組みました。
 
デュビュッフェは「アール・ブリュットの魅力」を紹介しようと努めましたが、このことは「アール・ブリュットとは何か」という定義の問題に繋がります。デュビュッフェの登場以前は、美術とはちゃんとした美術教育を受けた人間によって職人的に創造され、それを読み解くことのできるのは上等な趣味を持つ人たちだけ、というのが常識であり良識でした。デュビュッフェはその常識と良識に挑んだのです。
またアール・ブリュットという考え方は「美術において何が正統な教育で、何が正統ではないのか」という問題も呼び起こします。そしてそれは、「日本語だけで行う美術教育は、西洋中心の美術の世界で正統性を持ちうるのか」、「そもそも本当にいまの美術の世界は西洋中心なのか」といった問いにも繋がる、とても興味深い話題なのです。
 
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幼女を誘拐し父親になったロリコン。精神をエグるテーマは犯罪×家族

ヤバい作家小路啓之が「小児性欲者が誘拐した子供を育てる」という危険すぎるテーマを描いた問題作ごっこ
 
とてもそんな強烈な設定で描かれているとは思えない儚げな表紙で、最終巻となる第三巻が刊行されました。今回は、読者の誰もが固唾を飲んで見守っていたに違いないこの物語をとりあげます。
 
文章は、フリーライターのたまごまごさんにお願いしました。「犯罪」と「家族」という、一見したところとても相容れないテーマを組み合わせた傑作『ごっこ』を読み解きます。
 
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とれたて!近刊情報(11月21日) 『至高の日本ジャズ全史』ほか

本日とれたての近刊情報から、ナガタが気になったタイトルをピックアップしてお届けします。
 

至高の日本ジャズ全史

平山 夢明『暗くて静かでロックな娘

妖怪の日本地図3 中部

魔法使いなら味噌を喰え!4

 
本が好き!らぼ「近刊情報サーチ」新着情報一覧より。

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『ねじまき少女』が踏み込んだ、今そこにある遺伝子の悪夢

今回の記事を執筆してくれたのは、「食」をテーマにナチズム研究をしている藤原辰史さん(東京大学農学部講師)。
 
ナチスや大日本帝国にはバイオSFのような側面があったというお話を以前伺ったので、バチガルピねじまき少女についてのコラムをお願いしました。
 
これからの政治支配は「遺伝子工学を軸になされる」と予想している藤原さんにとって、『ねじまき少女』に描かれた不気味な世界のおぞましさとは何なのでしょうか。
 

  

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とれたて!近刊情報(11月20日)中島 岳志 『リベラル保守』ほか

本日とれたての近刊情報から、ナガタが気になったタイトルをピックアップしてお届けします。
 

中島 岳志 『リベラル保守』目次あり

消えた将校たち~カチンの森虐殺事件

鷗外の降誕祭~森家をめぐる年代記』目次あり

鷗外と脚気~曾祖父の足あとを訪ねて

日本歌曲をめぐる人々』目次あり

 
本が好き!らぼ「近刊情報サーチ」新着情報一覧より。

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本が好き!で先週一番人気のあった書評は?(11/13~11/19)

「本が好き!」の先週の人気書評ランキング(11/13~11/19)

 
今回の第1位は、日本文学史に残る名作と名高い人間失格。レビュアーは、この作品を、10代のときに「タイトルに惹かれて手にした」というかもめ通信さん
「(この作品は)ともすれば自意識過剰になって、羞恥心や自己嫌悪におぼれそうになっていた女子中学生に圧倒的な共感を持って迎えられた。」このランキングの常連でもあるかもめ通信さんの、ちょっと苦い青春を感じます。読み返すごとに成長していく自分を切り取っていくようなレビューの書き方も、巧い。
 
第2位は、はにぃさんによる自由でいるための仕事術
「楽器製作者・ステンドグラス製作者・バーガーマン(ハンバーガー料理人)など、12人の男性の働き方・生き方について著者がインタビューした一冊」とのこと。
仕事の本についての書評でありながら、肩に力の入っていない素敵な書評です。コメント欄も盛り上がっています。まさかEXILEの話題になっているとは。
 
第3位は、同率で3本。ぱせりさんによる夜の小学校で少年時代〈上〉、そしてはにぃさんによる真珠 (NHK美の壼)
『夜の小学校で』は、タイトルのとおり夜の小学校を舞台にした絵本。ぱせりさんの書評を読んでいると、自分もつい夜中に小学校に忍び込んでみたくなってしまいます。『少年時代』は、井上陽水の「あの曲」かと思いきや、60年台のアメリカを舞台にしたファンタジーもののようです。面白そう。
はにぃさんがレビューした『真珠(NHK美の壺)』は、「真珠入門書のような一冊」とのこと。さすがに評判のいい長寿番組の書籍版ということもあってコメント欄が楽しく盛り上がっています。僕もたまに録画して見てしまいますね>「美の壺」
 

 

 
 
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とれたて!近刊情報(11月19日)『ロックスターの英語』ほか

本日とれたての近刊情報から、ナガタが気になったタイトルをピックアップしてお届けします。
 

田中 純『冥府の建築家~ジルベール・クラヴェル伝

ロックスターの英語

鉄道名所の事典』目次あり

呉 智英『吉本隆明という「共同幻想」

いとをかし!百人一首 天才・蝉丸がやってきた!

 
本が好き!らぼ「近刊情報サーチ」新着情報一覧より。

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文学フリマに行ってきました!戦利品26誌レポート

第15回文学フリマに行って来ましたので、とりいそぎお買い物レポートを。「買い過ぎてしまった…」という後悔と、「チェックしきれないサークルがいっぱいある…」という後悔とともに、「楽しい本をたくさん買えた」という満足感もあって不思議な気持ちです。
 
販売開始後3分で売り切れたという布製表紙の同人誌Rhetoricaの手作り感とか、初めて寄ったブースの作家さんにいろいろお話を伺えたりとか、本の即売会なのに「ライブ感」があって楽しかったです。コミケやコミティア(今回は文学フリマと日程が重なってしまって行けなかったのですが)にも同じライブ感があるのですが、相対的に規模が小さい文学フリマでは比較的落ち着いて楽しめるので、そこが好きですね。
 
ではさっそくレポートです。まずはあらかじめチェックしていた同人誌。
ねとぽよ 女の子WEB号は次の写真に)

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とれたて!近刊情報(11月16日)大谷能生・速水健朗・矢野利裕『ジャニ研!』ほか

本日とれたての近刊情報から、ナガタが気になったタイトルをピックアップしてお届けします。
 

しあわせカモン

大谷能生・速水健朗・矢野利裕『ジャニ研!』表紙・目次あり

世界の特殊部隊作戦史1971-2011

RGM MODEL PICTORIAL BOOK』表紙あり

熊野 八咫烏』表紙あり

オレさまゲーマー! ラップくん! 1

 
本が好き!らぼ「近刊情報サーチ」新着情報一覧より。

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文学フリマ、今週末開催。注目のサークルはこれだ!

11月18日は第15回文学フリマです。個人的にチェックしたいリストを作っていたのですが、せっかくなので記事にして共有しようと思います。ちなみに僕が参加している同人誌もありますよ!
 
まずなんといっても表紙が美しいProject:AMNIS。先日Bookニュースでも取り上げたユリイカのジョン・ケージ特集に論考を書いていた仲山ひふみさんも寄稿しています。
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