読書ガイド「本が好き!」が運営するニュースサイト
登録年月「10月2011」で絞り込み表示

『紙の民』白水社

やばいものをみつけてしまいました。
 
「メキシコからカルフォルニアにやってきた父と娘。
登場人物たちを上空から見下ろす作者=《土星》。
頁の上で繰り広げられる《対土星戦争》の行方は?
メキシコ出身の若手による傑作デビュー長編」
…という紹介文を白水社図書案内「白水No.793」に見つけてしまいました。
これは読みたい。
 
「作者=《土星》」で「《対土星戦争》」てことは、地球と比べて直径が約10倍・質量が約100倍の土星との戦争となるわけで、普通に考えて地球に勝ち目はある筈がありません。
これが物語として成立するためには、地球に何らかの優位性を与える必要が出てきます。それはいったい何なのか。
メキシコからカルフォルニアに移住してくる父と娘という、天体規模からすると極めて小さな、しかし人間的にはとても大きな問題を抱えていそうな登場人物に、いったいどんな力があるというのか。
版元の白水社の書誌紹介ページには「悲しみに続編は存在しない」とか書かれています。意味がわかりませんがカッコいいです。どんな悲しみなら続編が存在しないのか、どんな悲しみにも続編はないと言うのか。本作はそれをどう描いたというのか。
自分の目で確かめてみたいと思います。
 
紙の民白水社
神の民 書影
 
【関連リンク】
・本が好き! 書評 『紙の民』 by 司書つかさ
書評を書くのに苦労するほどのネジレっぷりがありありとわかるレビューです。
それにしてもやっぱり面白そう。
 
白水社 : 書籍詳細|紙の民
版元・白水社の書誌情報。作者1976年生まれなんですね。
 
紙の民/サルバドール・プラセンシア – Cafebleu Diary
ネタバレありの書評。やはり「とんでもなく変な小説」とのこと。
 
白水社 : エクス・リブリス
『煙の樹』刊行記念・現代米文学・俊英対談!(後編) 都甲幸治&藤井光、現代米文学の注目作家を語る【2】

本訳書が刊行される前に行われた対談の採録。こちらもややネタバレ込みなので閲覧注意。
 
 
 
============================================================================
【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々とし、現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
「BOOKニュース」では出版系のイベントからマニアックな新刊情報まで、本に関する情報を収集して紹介しています。
ユニークな本を出される出版社様、紹介させていただきたいので是非BOOKニュース宛に新刊を送ってください!
twitterアカウント(@honzuki_news)でもときおり呟いております。

【新刊】『ドリフターズ2』少年画報社

「当たり前のサラリーマンみたいなこと書いてんじゃねえよ」と編集長に言われました。「当たり障りのないことばかり書いてたってしょうがないんだよ」と。
大々的にお許しをいただいたということなので、自らに課した戒めを解き放って、本来の性分を顕かにしてみたいと思います。というわけで本書の紹介です。
 
少年画報社は、10月に平野耕太ドリフターズ2を発売した。
本作は、織田信長や安倍晴明たちといった歴史上の死者たちがエルフなどのいる異世界に転生して戦うという作品。
 
ドリフターズ2 書影
 
「悪」に対する平野氏独特の見解が展開されているところに注目してください。
「異なる悪の美学が戦う」という設定で描かれたヘルシングでは、確かに構図やセリフが素晴らしかったものの、そこかしこに平野氏の優しさが見え隠れし、露悪趣味に徹し切らない潔さの不足があったことは否めません。
他方、本作では「悪の描き分け」をしている点が新しくワクワクさせられます。
 
主人公たち(島津豊久、織田信長、那須与一)が戦争の中毒者で嬉々として敵を殺す様を描きながら、異世界の圧政者やその他の敵たちにはより一層のおぞましさを与えて描いていることで、
・敵であれば嬉々として殺人を犯す(サムライたち)
・異民族に圧政を敷く(異世界の人間たち)
・人類皆殺しを目指す(「黒王」と呼ばれる者を首魁に抱く謎の大勢力)

(2巻でも既に他の勢力が現れつつあり、収集がつかなくなりそうなのですが、とりあえず大きなところでは上記3つでしょう)
といった現代日本の常識からすると一絡げに「悪」にまとめられてしまうスタンスを持つ集団が三つ巴になり入り乱れて戦うという展開を描いています。
 
「黒王」(たぶん人類に絶望して魔神化したキリスト)と戦国のいち武将にすぎない主人公たちがどのように戦うのか、ということよりも、この壮大に入り組んだ世界観のなかで平野氏がどのような露悪をぶちかましてくれるのかが今後の楽しみです。
なお、今回は(以下ネタバレ)「首を斬った敵兵の身体を埋めて火薬を作る」「矢尻に糞尿を擦り付けて毒矢にする」というグロテスクな表現が出てきますので、そういった表現に免疫のない方はご注意ください。
 
【関連リンク】
シビル・ウォーヴィレッジ・ブックス – 本が好き! Book ニュース
こちらは複数の「正義」が戦う話。オールスター戦という点でも共通していると言えるでしょう。
 
崇高とは何か 〈新装版〉法政大学出版局 – 本が好き! Book ニュース
露悪趣味、残酷趣味、悪の追究といった問題は、崇高論と重なるといって言い過ぎではありません。
特に平野作品の場合は、圧倒的な力や徹底的な絶望の描写による畏怖の感情が重要なので、崇高論の重要文献である本書との併せ読みはオススメです。
 
・本が好き! 石川雅之『純潔のマリア(2)
もやしもんの作者による中世を舞台にした物語。もともと歴史モノを描いてきた石川氏だけに、こっちもけっこうちからが入っています。
風の谷のナウシカばりの孤軍奮闘ぶり・献身ぶりで中世世界の戦争を必死に食い止めようとする魔女マリアの姿は必見。
「なぜ戦争がいけないのか」という問題に対しては『ドリフターズ』と正反対の方向から取り組んでいる作品だと思います。

 
==================================
【本が好き!編集部ナガタのプロフィール】
当「BOOKニュース」を担当している’79年生まれ男性。
アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
その後、札幌・千葉・マニラ・東京・京都を転々。現在は板橋区在住。
フリーター・契約社員・嘱託社員・正社員・無職・結婚・離婚など紆余曲折を経て現職。
百科事典と画集と虫と宇宙が友達です。
==================================
==================================
「BOOKニュース」では出版系のイベントからマニアックな新刊情報まで、
本に関する情報を収集して紹介しています。
ユニークな本を出される出版社様、
紹介させていただきたいのでBOOKニュース宛に新刊をぜひ送ってください!

twitterアカウント(@honzuki_news)でもときおり呟いております。

【新刊】『言説、形象(ディスクール、フィギュール)』法政大学出版局

僕の検索の仕方が悪いんだと思うのですが、本書について触れているブログが見つからないのはどういうことなんでしょうか。
まさか誰も読んでないんでしょうか。
監修者の合田正人氏も書いているとおり本書は「20世紀屈指の哲学的名著」だと思います。
また、「みんなが大好きな」ラカンに対する批判も含まれていたりして(解説で合田氏も「そこらへん誰か論じてないのか」と挑発的なことも書いているのに)、非常に刺激的な本なのに、読書感想文的なエントリがまったく見つかりません。
40年目にしてようやくの邦訳(英訳にも同じくらい時間がかかった)であること、英語版ではかのリオ・ベルサーニをしてまっさきに「文化理論にとって、きわめて重要な著作」と背表紙に書かせていること、現代の美術批評の中心人物のひとりであるロザリンド・クラウスが頻繁に言及している重要な論考であることを考えると、不気味なほどの沈黙があると言わざるをえません。
 
法政大学出版局(http://www.h-up.com/)は、9月にジャン・フランソワ・リオタールの国家博士論文で初の邦訳となる大著言説、形象(ディスクール、フィギュール)を発売した。
 
言説、形象 書影 (続きを読む…)

【新刊】『渤海王国の政治と社会』吉川弘文館

渤海王国ってマイナーだと思っていたら、なんと2006年に韓国でドラマ化され、しかも物凄い高視聴率(最高視聴率『ロングバケーション』並みの35.5%。100話を予定していたところを延長して135話の放映になったとのこと)を獲得してました。
日本でも韓国の歴史ドラマとして輸入されていたので、ご存知の方もいらっしゃるかも知れません。詳しくは本記事の一番下にリンクしておきましたのでご覧ください。
 
吉川弘文館は、10月に渤海王国の政治と社会を発売した
 
『渤海王国の政治と社会』 書影
 
渤海王国は、7世紀から10世紀(中国を唐が治めていた時代)に成立した、高句麗遺民と靺鞨人により建国された多種族国家。
本書はその支配体制の特質を、政治制度などの統合意識、領域内諸種族の存在・活動様態から考察するもの。
従来、史料的制約により主に周辺諸国との交流史の中で捉えられてきた渤海史を、徹底した史料批判により国内事情の視角から解明する。
 
目次
==================================================

序章 近年における渤海史の研究動向
 
八世紀中葉の渤海情勢と地方社会の再編
(八世紀中葉における渤海の対新羅関係の一側面―『三国史記』所引、賈耽『古今郡国県道四夷述』逸文の分析―
安東都護府の推移と安史の乱における渤海の遼東進出問題―いわゆる賈耽「道里記」の「営州入安東道」記事の分析―唐代越喜靺鞨の住地とその移動)
 
九世紀渤海の中央権力構成と地方社会の様相
(九世紀渤海における中央権力中枢の構成―封敖作「与渤海王大彝震書」の分析―
渤海・新羅接壌地域における黒水・鉄勒・達姑の諸族の存在様態―渤海の辺境支配の一側面―
補説第一 新羅泉井(井泉)郡の位置について
補説第二 『新唐書』渤海伝の交通路記事について)
 
以下細目略
第三編 東アジアにおける渤海認識
終 章
==================================================
 
【関連リンク】
BS日テレ – 韓国ドラマ「テジョヨン」番組サイト
 
律令国家と東アジア吉川弘文館 – 本が好き! Book ニュース
日本の古代国家形成と東アジア吉川弘文館 – 本が好き! Book ニュース

『シビル・ウォー』ヴィレッジ・ブックス

ヴィレッジ・ブックス(http://www.villagebooks.co.jp/)は、9月にシビル・ウォーを発売した。
『スパイダーマン』『アイアンマン』『X-メン』『キャプテン・アメリカ』などの作品を持つマーヴェルが展開した史上最大規模のクロスオーバー作品の邦訳。
本作によってマーヴェル社のスーパーヒーローたちは架空の法律「超人登録法」の監視下におかれることとなった。アメコミの新局面の到来を示す画期的な作品。
 
シビル・ウォー 書影
 
先日刊行されたメタフィジカル・クラブ――米国100年の精神史によれば、現代のアメリカの哲学や政治思想の根源となるプラグマティズムは、「南北戦争(アメリカでは「シビル・ウォー」と呼ばれます)」への反省から生まれたと言われています。そのシビル・ウォーをタイトルに冠したのが本書。
第二次世界大戦の英雄として創造されたキャプテン・アメリカ、ベトナム戦争中の軍需産業の申し子として生まれたアイアンマン、この両雄を筆頭に、「国家の管理下に入って悪と戦うか/あくまで素顔を隠しながら自警団的に戦うか」という、ヒーローにとっては究極ともいえる選択を迫られることにより、正義を体現し、ともに巨悪と戦ってきたはずの約100名にのぼるスーパーヒーローたちが互いに否定しあう内戦状態に陥ります。
 
素顔を晒すかどうかというのは、プロレスや魔法少女もの、日本のウルトラマンや仮面ライダーでもここぞというときに問われる重大問題。
しかし本作の白眉は、単にヒーローが苦悩するというところではありません(もはや苦悩するヒーローを描くことじたい紋切り型のひとつになってきています)。
本書の見所は、ヒーロー達が二分して戦わざるを得ないというところ。
 
ジャンル批判的な側面を高く評価されたウォッチメンも、本作と同様の法律の施行をストーリーの重要な前提にしていましたが、本作は「その法律が現代に制定されたならばヒーロー達がどう振舞うか」ということを描いた作品だといえるでしょう。
『Mr.インクレディブル』なども同様のメタヒーロー、ポストヒーロー的な設定を導入していますが、本作はこれらの総決算であり、かつさらなる発展形だと思います。
アメコミ界最大手のひとつであるマーヴェル社のほぼすべてのエピソードで、今後この法律を前提に物語が作られていくことを考えると、とんでもない時代になったなあという感慨を拭い切れません。
 
しいてこの現象を日本の漫画界に無理やり当てはめて例えるなら、小学館と集英社の刊行するすべての漫画誌に登場するキャラクターたちが、ひとつの政府の元に正義を執行する集団として団結するか、あるいは各自それぞれの秘密を保ちながら従来の活動を続けるか、その決断を迫られ、かつそれ以降のすべての作品でそのルールが生き続けるという状況だと想像してもらうとわかりやすいかも知れません。
 
映画化も素晴らしかったキック・アスのマーク・ミラーが原作を担当。
上掲の表紙画像でも多少は感じて貰えると思いますが、絵の描き込みの重厚さも特筆に値します。
宗教画か歴史画かという緊張感に満ちた画面がフルカラー200ページで展開され、まさに圧倒されます。
 
【関連リンク】

特別企画 : アメリカン・コミックスの歴史 第1回 【ゴールデン・エイジ】 | 瞬きて、視覚

とても参考になる良い記事。きわめて簡潔にまとめられているので、アメリカンコミックスに興味あるけどまだよく知らないという人から、それなりにアメコミ読んでるけど歴史をおさらいしようかな、という人にまでオススメです。
 
シビルウォー : オタクを辞めようかと思います。
「私はこの作品は「TIGER & BUNNY」のファンの人ならば色々と考えるところがあるのではないかと思っています。」と語るかたのブログでの書評。
また、「「アメコミは勧善懲悪で能天気」。そう思っている人こそ、これらを読むとなかなか面白いんじゃないかと思います。」という締めが渋いです。
 
ゾンビの作法 もしもゾンビになったら太田出版 – 本が好き! Book ニュース
現在翻訳作業が進められているという噂のクロスオーバー「マーヴェル・ゾンビーズ」にコメント欄で言及しました。
刊行が楽しみです。
 
ウォーキング・デッド飛鳥新社 – 本が好き! Book ニュース
その「マーヴェル・ゾンビーズ」の原作者による作品。TVドラマ化されベストセラーとなりました。
評論家・町山智浩氏推薦の1冊。
 
自由の帝国と奴隷制: 南北戦争前史の研究ミネルヴァ書房 – 本が好き! Book ニュース
アメリカの建国から南北戦争にいたるおよそ百年について、歴史研究での位置づけを再検討し世界史的展望へと開かれた歴史像を構築する試み。
 
アメリカの公共ラジオ局が、SFとファンタジーの人気作品ランキングTop 100を発表 – 本が好き! Book ニュース
15位に『ウォッチメン』が選出されています。
 
GHOST WORLD 日本語版 第二版 – 本が好き! Book ニュース
いわゆるスーパーヒーローの登場しないアメリカのマンガのひとつの極致。待望の第二版予約受付中です。
 
・本が好き! ニューアベンジャーズ:ブレイクアウト
・本が好き! ニューアベンジャーズ:セントリー
・本が好き! X-MEN/アベンジャーズ ハウス・オブ・M
・本が好き! 『ニューアベンジャーズ:コレクティブ

【新刊】『幸せな未来は「ゲーム」が創る』早川書房

残虐なゲームが犯罪を誘発するというのなら、恋愛ゲームでモテモテになれるはずだ(反語)
というジョークがありますが、ゲームのインターフェースを使って戦場のシーンを追体験させることで退役軍人のPTSDを改善する治療が行われていたり、古くは各国の首脳陣がウォーゲームで戦争シミュレーションをやっていたというのも一部ではよく知られています。
(詳しくは下記の関連リンク「SF乱学講座聴講記:蔵原 大「ウォーゲームの歴史――クラウゼヴィッツ,H.G.ウェルズ、オバマ大統領まで」」や、『世界ゲーム革命』をご覧ください。)
本書は、話題の書『世界ゲーム革命』にも登場した、ゲーミフィケーションの提唱者としても知られるジェイン・マクゴニガル氏による社会改革論です。
 

早川書房(http://www.hayakawa-online.co.jp/)は、10月に幸せな未来は「ゲーム」が創るを発売した。
 
ウィキペディア創設者ジミー・ウェールズをして、「本書は世界を変えたいと思うすべての人々の必読書だ」と言わしめた1冊。
近年、オンラインゲーマー人口が数億人に達し、莫大な時間と労力がヴァーチャルな世界で費やされている。
本書は、この現象を「現実に不満を持つ人々による『大脱出』にほかならない」と指摘する。
なぜ人々は「ゲーム」に惹かれるのか? -それは現実があまりに不完全なせいだからだ。
現実においては、ルールやゴールがわかりづらく、成功への希望は膨らまず、人々のやる気はますますそがれていく。
そんな現実を修復すべく、著者は、「ゲーム」のポジティブな利用と最先端ゲームデザイン技術の現実への応用を説く。
コミュニケーション、教育、政治、環境破壊、資源枯渇などの諸問題は、「ゲーム」の手法で解決できるというのだ。
 
幸せな未来はゲームが創る 書影 (続きを読む…)

【新刊】『崇高とは何か 〈新装版〉』法政大学出版局

崇高と言えば、絶対領域だと一般の人は思うでしょう。僕は異論があります。絶対領域には恐怖がありません。
恐怖を呼び起こすほどくだらないものを指して「敢えて」崇高」と呼ぶ風潮があるようですが、「崇高」とは、もともと所謂「美しさ」や「楽しさ」を超越したものを指して使われる言葉なので、それは結局は正しいと思います。
絶対領域に関して言えば、絶対領域そのものではなくて、絶対領域に対する人々の熱狂のくだらなさのほうに僕は圧倒されます。
したがって絶対領域は、つまり崇高を生み出す領域なのです。
 
法政大学出版局(http://www.h-up.com/)は、9月に崇高とは何か 〈新装版〉を発売した。
「芸術や美学、哲学の思想史の中でたえず問われてきた崇高とは何か。
カント、ロンギノスを読み直しプッサンの絵を分析し、リオタールらが崇高概念の再思考を試みる。(出版社サイトより)」
1999年初版刊行、本書は新装版となる。
 
崇高とは何か 書影
 
目次
==================================================

序言 (ジャン=リュック・ナンシー)
 
大‐言 (ミシェル・ドゥギー)
 
崇高な捧げもの (ジャン=リュック・ナンシー)
 
カントあるいは崇高なるものの単純さ(エリアーヌ・エスクーバ)
 
崇高なる真理 (フィリップ・ラクー=ラバルト)
 
崇高なるものの関心 (ジャン=フランソワ・リオタール)
 
世界の贈与 (ジャコブ・ロゴザンスキー)
 
悲劇と崇高性 (ジャン=フランソワ・クルティーヌ)
 
プッサンの一枚の絵におけるバベルの塔について(ルイ・マラン)
==================================================
 
【関連リンク】
テリー・イーグルトン『テロリズム 聖なる恐怖岩波書店 – 本が好き! Book ニュース
日本鉄道旅行地図帳 東日本大震災の記録新潮社 – 本が好き! Book ニュース
技術者倫理の現在勁草書房 – 本が好き! Book ニュース
ラカン派精神分析の治療論 理論と実践の交点誠信書房-編集者インタビュー – 本が好き! Book ニュース
存在しないものに向かって 志向性の論理と形而上学勁草書房 – 本が好き! Book ニュース
幻視とレアリスム: クールベからピサロへ フランス近代絵画の再考人文書院 – 本が好き! Book ニュース
イメージの地層 -ルネサンスの図像文化における奇跡・分身・予言名古屋大学出版会 – 本が好き! Book ニュース

【新刊】『ラーメンと愛国』講談社

ラーメン二郎は関内で「汁なし」に挑戦したことがあります。二郎体験はそれだけですが、もう二度と行きたくないです。
おかげさまで、そのあと観に行った『攻殻機動隊 S.A.C. SSS 3D』が忘れられない作品になりました。
それでも、ラーメンを毎晩零時くらいに食べ続けてこのまま死ぬと思っていた時代が僕にもありました。最近の話です。
あの、脳内から快楽物質が怒涛のように溢れ出す瞬間の崇高な体験を誰かイデオロギー的側面からまとめてくれないかと思っていたところ、まさに待望の刊行予定の情報。
タイアップの歌謡史』『自分探しが止まらない』『ケータイ小説的。―”再ヤンキー化”時代の少女たちの著者・速水健朗氏の最新刊です。まさか「愛国」というキーワードが登場するとは思ってもいませんでしたが。
 
講談社(http://www.kodansha.co.jp/)は、10月にラーメンと愛国を発売予定。
いまや「国民食」とも呼ばれるラーメン。
その始まりは戦後の食糧不足と米国の小麦戦略にあった。
“工業製品”として普及したチキンラーメン、日本人のノスタルジーをくすぐるチャルメラ、「ご当地ラーメン」に隠されたウソなど、ラーメンの「進化」を戦後日本の変動と重ね合わせたスリリングな物語。
 
ラーメンと愛国 書影 (続きを読む…)

【新刊】『通貨同盟の経済学 [原書第8版]』勁草書房

ギリシャのデフォルト危機で近年注目を集めているユーロ圏のほかにも、世界中に存在している通貨同盟。
少し調べてみて、アフリカやアジアそして東欧など、かつて存在したものから今後計画されているものまで含めると、その多様さには驚かされました。
そもそもユーロに統一される前は、いろんな通貨がありましたよね。
マルク、フランとかリラとか、シリング、ギルダー、ドラクマ。あと、カノッサとかガバスとかペリカとか。
旧植民地では現行通貨として残っているものも多々あるようです。ちなみに通貨記号ではフィリピン・ペソとかイスラエルのシェケル、マルクの補助単位ペニヒが好きです。
 
勁草書房(http://www.keisoshobo.co.jp/)は、10月に通貨同盟の経済学 [原書第8版]を発売した。
 
ユーロを含めた通貨同盟についての実用的な研究と今日的話題のみならず、通貨を持つことによる費用と便益を分析。
また最近の世界的危機について論じ、信用危機とそのユーロ圏への影響を述べる。
さらに世界の他の通貨同盟についての議論と国際通貨としてのユーロの役割が増大することのさらなる分析が含まれている。
「創設以来最大の危機に直面している統一通貨ユーロを勉強する上で、また、アジア共通通貨を考えるためにも有益な通貨同盟のテキスト。(出版社サイトより)」
 
通貨同盟の経済学 書影
 
目次
==================================================

日本語版の読者へ
序文
 
第1部 通貨同盟の費用と便益
 
第1章 共通通貨の費用
 はじめに
 1.1 需要のシフト(マンデル:Mundell)
 1.2 通貨同盟と非対称的ショックに対する保護手段
 1.3 インフレと失業に関する選好の諸国間での差異
 1.4 労働市場での制度の差異
 1.5 法律制度の差異
 1.6 成長率が異なる
 1.7 結論
 
第2章 最適通貨圏の理論への批判
 はじめに
 2.1 諸国間の差異はどのくらいか
 2.2 一国の金融政策はどのくらい有効か
 2.3 金融政策,時間的整合性,信頼性
 2.4 最適な安定化と通貨同盟
 2.5 再びマンデル
 2.6 通貨同盟の費用と国の開放度
 2.7 結論
 
第3章 共通通貨の便益
 はじめに
 3.1 取引費用の削減からの直接的利益
 3.2 取引費用削減の間接的利益:価格の透明性
 3.3 より小さな不確実性からの厚生上の利益
 3.4 通貨同盟と金融の安定性
 3.5 為替相場の不確実性と経済成長
 3.6 通貨同盟と貿易についての実証的証拠
 3.7 国際通貨の便益
 3.8 通貨同盟の便益と開放度
 3.9 結論
 
第 4 章 費用と便益の比較
 はじめに
 4.1 費用と便益の比較
 4.2 通貨同盟,価格と賃金の硬直性,労働移動
 4.3 非対称的ショックと労働市場の柔軟性
 4.4 長期の費用と便益
 4.5 EMU 拡大の挑戦
 4.6 英国は EMU に参加すべきか
 4.7 ラテンアメリカは最適通貨圏か
 4.8 次の通貨同盟はアジア
 4.9 アフリカでの通貨同盟
 4.10 結論
 
第5章 通貨同盟と政治同盟
 はじめに
 5.1 政治同盟の多くの側面
 5.2 最適通貨圏の理論と政治同盟
 5.3 政治同盟は通貨同盟の最適性にどう影響するか
 5.4 脱落した「深遠な」変数
 5.5 結論
 
第2部 通貨同盟
 
第6章 不完全な通貨同盟の脆弱性
 はじめに
 6.1 評判の違いが固定相場制の信認を低下させる
 6.2 固定為替相場制度での n-1 問題
 6.3 銀行危機と為替危機との関係
 6.4 固定為替相場制度の信認をどう測るか
 6.5 結論
 
第7章 通貨統合への移行
 はじめに
 7.1 マーストリヒト条約
 7.2 なぜ収斂条件なのか
 7.3 移行期の技術的問題:交換レートをどう決めるか
 7.4 「参加国」と「非参加国」との関係の作り方
 7.5 EUの新加盟国と収斂条件
 7.6 英国はユーロ圏に参加する準備ができているか
 7.7 結論
 
第8章 欧州中央銀行(ECB)
 はじめに
 8.1 ECBの設計:マーストリヒト条約
 8.2 なぜドイツモデルは優勢になったのか
 8.3 欧州中央銀行は「保守的な」中央銀行か?
 8.4 独立性と説明責任
 8.5 ECBの制度的枠組み
 8.6 ユーロ圏の銀行監督と金融の安定
 8.7 結論
 
第9章 ユーロ圏の金融政策
 はじめに
 9.1 中央銀行と非対称的ショック
 9.2 ECBの金融政策戦略を説明する
 9.3 ECBの金融政策戦略を評価する
 9.4 ユーロ圏の金融政策の諸手段
 9.5 金融危機の中での最後の貸し手としてのユーロシステム
 9.6 結論
 
第10章 通貨同盟における財政政策
 はじめに
 10.1 各国財政政策と最適通貨圏の理論
 10.2 各国政府の財政赤字の持続性
 10.3 財政赤字に関するルールをめぐる議論
 10.4 通貨同盟における財政規律
 10.5 通貨同盟におけるデフォルトと緊急支援のリスク
 10.6 2008年の金融危機とユーロ圏の金利スプレッド
 10.7 安定・成長協定の評価
 10.8 安定・成長協定をどのように改革するか
 10.9 結論
 
第 11 章 ユーロと金融市場
 はじめに
 11.1 EMUと欧州の金融市場統合
 11.2 通貨同盟においてなぜ金融市場統合は重要なのか
 11.3 ユーロが国際通貨になるための条件
 11.4 結論
 
参考文献
訳者あとがき
人名索引
事項索引
==================================================
 
【関連リンク】
〈資本論〉入門作品社 – 本が好き! Book ニュース
ハイパーインフレの悪夢 ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する新潮社 – 本が好き! Book ニュース
webちくま「よりよく生きるための経済学入門」(若田部昌澄氏と栗原裕一郎氏の連載対談) – 本が好き! Book ニュース
規範とゲーム: 社会の哲学入門勁草書房 – 本が好き! Book ニュース
ヒックスと時間 貨幣・資本理論と歴史理論の総合慶應義塾大学出版会 – 本が好き! Book ニュース
世界国勢図会 2011/12年版―世界がわかるデータブック矢野恒太記念会 – 本が好き! Book ニュース
20世紀環境史名古屋大学出版会 – 本が好き! Book ニュース
「大東亜共栄圏」経済史研究名古屋大学出版会 – 本が好き! Book ニュース
帝国崩壊とひとの再移動 (アジア遊学 145)勉誠出版 – 本が好き! Book ニュース

【新刊】『魔女論 ~なぜ、空を飛び、人を喰うか~』

「君がまどかを最強の魔女に育ててくれたんだ」(アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』より)
このセリフでマミさん派だった僕はほむほむ派になりかけました。
魔女といえばもやしもんで有名な石川雅之氏の魔女ものマンガ純潔のマリアの最新刊も出ましたね!
 
大和書房(http://www.daiwashobo.co.jp/)は、10月に魔女論 ~なぜ、空を飛び、人を喰うか~を発売した。
 
魔女が空を飛ぶ理由を、古代の大母信仰から探り、人を喰うわけを山姥や吸血鬼伝承との関連で考える。
新視点から考察する魔女論であり女性論でもある1冊。
 
魔女論 書影
 
【関連リンク】
・本が好き! ユリイカ2011年11月臨時増刊号 総特集=魔法少女まどか☆マギカ 魔法少女に花束を
 

イメージの地層 -ルネサンスの図像文化における奇跡・分身・予言名古屋大学出版会 – 本が好き! Book ニュース
天使と悪魔 美術で読むキリスト教の深層青土社 – 本が好き! Book ニュース
エロスとグロテスクの仏教美術春秋社 – 本が好き! Book ニュース
大いなる神秘の鍵 エノク、アブラハム、ヘルメス・トリスメギストス、ソロモンによる人文書院 – 本が好き! Book ニュース
「天使」と「悪魔」大全新人物往来社 – 本が好き! Book ニュース
女性たちが創ったキリスト教の伝統明石書店 – 本が好き! Book ニュース
強欲の宗教史築地書館 – 本が好き! Book ニュース