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技巧と精緻を極めたマンガ表現に酔え。大友克洋も絶賛『闇の国々Ⅱ』

一部のマンガファンたちのあいだで沸き立っていた熱烈な待望にこたえて、とうとう『闇の国々』シリーズ第二弾が刊行された。『闇の国々』は、フランソワ・スクイテンが描く架空の世界の物語。彼は、先日逝去して大きな話題となったメビウスや、映画監督として独自の世界を表現する事で知られるエンキ・ビラルと並び称されるビッグネームである。スクイテンの作品は、極めて高い技巧を凝らした作品でありながら、内容の複雑さのせいか、今までほとんど翻訳されてこなかった。それが昨年末に『闇の国々』というタイトルの1冊に、このシリーズの傑作3篇を集めたものが邦訳され、日本語の読者にも驚嘆を持って迎えられた。邦訳第一弾の刊行時には、翻訳者のひとりである原正人氏も「続刊が出るかどうかはまったくわからない」と語っていたが、それがこうして刊行されるにいたったというわけだ。
 
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『まどマギ』脚本家にして「エロゲー作家」虚淵玄が語る超エロゲー論

『超クソゲー1+2』超クソゲー3『超エロゲー』に続く、『超◯◯ゲー』シリーズ最新刊、『超エロゲー ハードコア』が刊行された。

 
「エロティックなゲーム」略して「エロゲー」についての、識者3名による怒涛のレビュー集。『キラ☆キラ』のような心理的な極限を狙う凶悪な作品から、『遊撃戦艦パトベセル』のようなパロディ三昧の「面白い」作品まで、名作・怪作・奇作のオンパレード。全稿書き下ろしとなっている。エロゲーユーザーならば自分のプレイと比較して楽しめるだろうし、そもそも全く縁がないという人は、未知なるディープな世界を垣間見ることができるだろう。
また本書の巻頭には、今年2月に『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本家として東京アニメアワード脚本賞を受賞した虚淵玄への2万字インタビューを掲載。虚淵はこれまで数々のエロゲーシナリオを手掛けてきた「エロゲー作家」でもある。

 
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僕はファミレスで号泣しかけた。変態漫画『変ゼミ』最新刊は感動大作

TAGROの最新作『変ゼミ』七巻が刊行された。
とある大学にあるという「変態生理ゼミナール」の面々を描いたこの作品、今回も下ネタのオンパレードで、今までの巻と同様に食事中に読むことはあまりオススメできない。
 
人間の心理に潜む変態性を考察の対象にしているためか、物語がサイコスリラーの様相を呈してきた。「自分の人格を好きなように作り出し、その人格に完全に成り代わることができる」という、ある意味では「究極の変態」加藤あんなを巡って、今回はひとつのクライマックスと呼べるような展開が用意されている。感動的な作品を読んでよく涙腺崩壊させている僕だが、ファミレスで号泣しかけるという事態に陥ったことを告白しておく。
 
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国書刊行会40周年フェア!100冊超えリスト

東京堂書店・神田神保町店で開催中の国書刊行会40周年フェアに行ってきました!
 
数えてみたら100冊以上あったので、気合入れてリスト化してみました。
書影を眺めるだけでも楽しいですね。(なお、当情報は2012/10/25の14時頃のものです。) (続きを読む…)

特集は「レコード*録音*記録」あのハードコア音楽言論誌の最新号

知る人ぞ知る、ハードコアな音楽言論誌『アルテス』の待望の第3号が店頭に並んでいる。
 
今回も「レコード*録音*記録」、という普通の音楽誌だったらまず着目しない、というよりも、普通の読者ならパッと見たところでほとんど意味の分からないテーマを大特集に掲げている。
 
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各界の著名人が集うファイブスター物語の公式ファンブックが面白い!

『ファイブスター物語』といえば、壮大なファンタジー作品。各界に根強いファンを持ち、昨年twitterで投票を呼びかけて行った「日本語を使う人が選ぶSFとファンタジー」のランキングでも堂々の4位にランクイン。作者の永野護が脚本・監督する映画『花の詩女 ゴティックメード』の公開が間近なこともあり、今回「公式ファンブック」として刊行されたのがファイブスター物語 トレーサー Ex.1(以下:『トレーサー』)だ。
 
『ファイブスター物語』をめぐって、『月姫』『空の境界』『Fate/Zero』などで知られるクリエイター集団TYPE-MOONの武内崇と奈須きのこの対談や、やはりクリエイター集団のsupercellのredjuiceと宇佐義大の対談が繰り広げられる。このほか、DIR EN GREYのベーシストToshiyaや、クラムボンのミト、ラーメンズの片桐仁、漫画家の高河ゆん、美術家のパルコキノシタなどへのインタビューも収められている。
 
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ヴァーチャルセックスからヘヴィ・メタルまで哲学する!?

モードは行きた肉体を無機的な世界に結びつける。生者にたいして、それは屍体の権利を擁護する。こうして、非・有機的なもののセックス・アピールに従属したフェティシズムが、モードの生命力となる。

これは、20世紀ヨーロッパの代表的な思想家のひとりベンヤミンの未完の草稿パサージュ論の一節。今回紹介するイタリアの美学者マリオ・ペルニオーラの無機的なもののセックス・アピールという書名は、この一節の中に出てくる「非・有機的なセックス・アピール」を直截に言い換えたものと思われる。この一節で論じられている「モード」とは、主に服飾の流行のことを指し、広義には現代の、ライフスタイルを含めた様々なものの移ろいやすい流行を指す。ベンヤミンは、近代的な消費活動とそれに即した生活全般(=モード)が、従来の生身の人々を、「有機的ではない」ものの世界に結びつけると論じた。
 
『無機的なもののセックス・アピール』の著者ペルニオーラは、ベンヤミンが論じた近代的な状況が更に進行した、現代的な状況において、人々が向き合うことになる「セックス・アピール」がどのようなものなのかを吟味する。
 
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