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『ほたるの群れ』シリーズ著者 向山貴彦さんインタビュー

ほたるの群れ 第四話 瞬(まじろぐ)が刊行された。本作は、暗殺者という裏の顔を持ちながら中学生生活を送る主人公たちの葛藤を描いたシリーズの第四話。
このシリーズでは、極秘組織「会」という暗殺集団を中心とした、暗殺者同士の凄絶な死闘が描かれている。あたかも普通の中学生のように生きる「表の顔」と、血で血を洗う抗争が繰り広げられる緊迫した「裏の顔」のギャップが鮮烈な印象を残す。
 
今回、そんな『ほたるの群れ』シリーズの著者、向山貴彦氏にインタビューの機会をいただくことができた。

 

  

 

  

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新しい日本はどうあるべきか?新世代の賢者達が導き出した希望の書

評論家で小説家でもある東浩紀が代表をつとめる出版社「ゲンロン」が、思想誌「思想地図β」の第3号となる「日本2.0」を刊行した。
 
高橋源一郎をはじめ、村上隆、梅原猛、椹木野衣といった錚々たるゲストが名前を連ねている。「日本」という大きなテーマを取り上げ、そこにある複数の課題を根本から問い直そうという特集だ。
旧弊になってしまった「日本」とは何か。そして作りなおされるべき日本の新しい姿はどのようなものなのか。
 
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【速報】「物語生成装置」東京論が海猫沢めろん氏のサイトに掲載!

本日、作家の海猫沢めろん氏のサイトでlife感想戦「東京論2012」が掲載された。これは5/27日に海猫沢氏が出演したラジオ番組「Life」に関連した記事なのだが、そこに作家・海猫沢めろんの物語生成装置としての東京論とも読める内容が書かれていたので当Bookニュースでも速報的にご紹介したい。
 
僕がいま一番注目している作家は誰かと聞かれたら、海猫沢めろん氏を挙げる。
もちろん、6月下旬に新刊が出る予定の樺山三英氏も凄く気になっているけれど、「厨二臭」という点では海猫沢氏が圧倒的に魅力的だ。
 

海猫沢氏の最新連載が掲載された「ゲンロンエトセトラ#2」(サンプル)
海猫沢氏による渾身の露悪趣味全開の作品が1ページだけ読める。グロ注意。
自らも小説家として作品を発表している批評家東浩紀氏が敢えてハード路線で執筆を依頼したという本作、まだ連載第一回だが、今後の展開が非常に気になる。
 
ヤケクソなテンションで様々なジャンルの文化を取り込み、高圧力でゴッタ煮にする海猫沢氏の作風を一番わかりやすく味わうには、架空の歴史を辿った1990年代の日本を舞台に、2人の少女がバイクで疾走しまくる零式を読むことをオススメしたい。
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福井晴敏、カラスヤサトシ氏による電子書籍「AiR」第三弾リリース

かつて東浩紀氏と共著で小説『キャラクターズ』を発表した桜坂洋氏ら「書き手」が集まってオリジナルの電子書籍を刊行する、という意欲的な試み『AiR』の第三号が今日リリースされた。
 
今回は「ガンダムUC」「亡国のイージス」の福井晴敏氏、結婚が話題になった漫画家のカラスヤサトシ氏をあらたに執筆陣に加え、ロボット学者の前野隆司氏が「ダンスから始まる心と体の哲学」についての論考を、吉田戦車氏がイラストとエッセイを、歴史学者の本郷和人氏が「AKB48 VS. 少女時代」を扱う文化論を掲載。
 
詳しくは「電子書籍AiR公式サイト」へ。
 
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食と戦争に切り込む『ナチスのキッチン』トークイベントも開催(5/31)

「腹が減っては戦はできぬ」。僕は食道楽で、三食のうち一回が欠けただけで心身ともに激しく機能低下するので、毎日のようにこのことわざを脳裏によぎらせています。「戦争」という状態から遠く隔たった現代日本に暮らしていると、「戦」は、仕事や生活のなかのちょっとした勝負事の喩えとして感じられます。
しかし、過去に目を向けてみれば、富国強兵政策の時代、日本を始めとした近代化に邁進する各国で、食の充実は国民の身体の充実を意味し、それが国民を総動員する「総力戦」を見越したものだったこともあり、このことわざから血なまぐさいニュアンスを嗅ぎ取ることができるでしょう。
また未来には、人類の人口が爆発的な増加を続けていることから、地球上のあらゆる地域において食糧危機が無視できない問題になりつつあることも予測されています。国際的に食糧供給の主導権を握ることは、今でも政治的な緊張をもたらす重要な関心事なのです。
 
そんな「食」と「戦争」の両方を視野に入れた書籍が近日刊行予定です。その名もナチスのキッチン 料理とテクノロジーの環境史。著者は「食の思想史」「トラクターと化学肥料の農業技術史」などを研究テーマに掲げ、第一次世界大戦期のドイツの食糧問題、ナチス時代のドイツの農民生活、大日本帝国時代の水稲品種などを研究してきた藤原辰史氏。今回、この本の出版を記念して、ジュンク堂書店池袋本店では藤原氏のトークイベントが開催されます。
 
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水村美苗、待望の長編小説をその思想的背景から読む『母の遺産』

長編評論日本語が亡びるとき 英語の世紀の中でが梅田望夫氏や小飼弾氏に絶賛された水村美苗氏。扇情的なタイトルと文体、華々しい評価に対して、賛否両論が巻き起こったのは記憶に新しい。
 
この水村氏、現在はスタンフォード大学の客員教授として日本近代文学を教えている。世界的に高名な批評家ポール・ド・マンのもとで文学理論を学んだ水村氏は、今まで発表してきた小説作品で文学と社会の結び付きを意識した問題設定で評価されてきた。水村氏が読売新聞に連載していた、その名も母の遺産 新聞小説という長編が単行本にまとめられたので、その背景を少し掘り下げてみた。
 
本作は、明治の代表的な文学作品でこちらもまた読売新聞の連載小説であった『金色夜叉』に重ね合わされながら、現代の高齢化社会の介護問題や中年夫婦の離婚などの生々しい題材を盛り込んだ物語。もちろん、重苦しいばかりではない。序盤で主人公が夫との関係を深めていく部分やは、読んでいて思わず溜息が出てしまう。美しいのだ。『日本語が亡びるとき』で水村氏が守りたかったのは、この美しさなのだろう。
 
母の遺産 (続きを読む…)

萌え×クトゥルーの新たな代表作『ニャル子さん』漫画版もオススメ

昨日の記事ラノベを徹底的に分析するための着眼点「オタクの4大ニーズ」とは?が、当Bookニュース史上最高のアクセス数を集めたので、今日は当初予定していたジョルジュ・ディディ=ユベルマンの美術史批判の人文書イメージの前でと入れ替えで、ライトノベル発のアニメ化で新たなヒットになりそうな作品這いよれ!ニャル子さんを紹介したいと思います。
 
……と言っても今回紹介するのは、アニメでも原作のライトノベルでもなくそのコミカライズ作品
 
這いよれ!ニャル子さん (続きを読む…)

アップル社の成功は音楽をどう変えたのか。音楽言論誌アルテス第2号

これから生まれてくる子供たちにとっては、完全に過去のものとなる風景がある。うずたかく積み上げられるレコードやCDの山だ。音楽好きならば必ず持て余すほどの音源を抱えていた時代は終わる。これからの音楽好きは自宅ではストリーミング再生やダウンロードした音源を聞く。この変化は音響のデジタル化にともなってゆっくりと進行してきたが、アップルのiPodとiPhoneの成功によって、急速に決定的なものにされた。

 

いまもっとも注目されている音楽系出版社、アルテスパブリッシングが発行する音楽言論誌「アルテス」の創刊第2号は今回の特集「アップルと音楽」でこの状況に正面から向き合う。

 

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初音ミクやAKB48もヒップホップなのか?いまなお話題の1冊

昨年、当Bookニュースで新刊として取り上げた文化系のためのヒップホップ入門。驚くべきことにこの書籍、刊行後半年を経た現在もまだ人気が衰えた様子がない。文化系の考察の対象としてヒップホップを捉え、その魅力を独自の切り口で紹介する一冊だ。

 
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ビル爆破の残響と枯れた百合から始まるデザイン。戸田ツトム『陰影論』

知的で超カッコいいデザインというものがある。戸田ツトム氏のデザインする書籍はその代表格だといっていいだろう。いや、「代表格」など生ぬるい。もっとはっきり「知的で超カッコいいデザインとは、戸田ツトム氏のデザインのようなデザインのことだ」と断言してもいい。
 

単に知的なだけではなく、単にカッコいいだけでもない。単に知的なだけならば、重厚で古めかしく造ればいい。しかしそれは鈍重だろう。単にカッコいいものならば、気の利いた配置を追及すればいい。しかしそれは虚しい。戸田氏のデザインには、鈍重さも虚しさもない。鋭さと意味深な何かが同居している。
 
その戸田氏のデザイン論をまとめた著作陰影論 デザインの背後についてがようやく刊行された。すでに『断層図鑑』など複数の著作がある戸田氏だが、前著電子思考へ…―デジタルデザイン、迷想の机上が2001年刊行なので、実に10年以上振りの新刊ということになる。
 

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